ルーリン彗星を撮影しに吉野に行ってきました

21日にMさんと奈良県の吉野にルーリン彗星を撮影に行ってきました。
天気は、ほぼ一晩快晴で、ルーリン彗星の他にも撮影ができました。

2月22日0時頃から約90分間のルーリン彗星の動きをGIFアニメにしました。
http://www.geocities.jp/ngc4826/photo/C2007N7.gif
透明度が、イマイチだったので、L画像1枚3分ではイオンテールは、良く出ていませんね。
でも、なんとなく尾の変化が、見える?
最接近間じかなので、90分でも動きは、結構速いです。


ルーリン彗星の動きの撮影データ
露出時間:L 30×3分 2×2ビニング
望遠鏡:FSQ-106N
カメラ:QSI540 WSG
フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター Lフィルターで撮影
赤道儀:EM-200Temma2

あと、この日撮影した馬頭星雲としし座のトリオです。

イメージ 1


馬頭星雲
露出時間:L 6×10分 RGB 5×3分
冷却温度:-30℃
フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター
望遠鏡:FSQ-106N
カメラ:QSI540 WSG
ガイドカメラ:SSAG
赤道儀 :EM-200Temmm2


イメージ 2


しし座のトリオ
露出時間:L 6×10分 RGB 5×3分
冷却温度:-30℃
フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター
望遠鏡:FSQ-106N
カメラ:QSI540 WSG
ガイドカメラ:SSAG
赤道儀 :EM-200Temmm2
スポンサーサイト



[ 2009/02/22 23:34 ] 天体写真 | TB(0) | CM(1)

MTS-3SDI+ 操作編

MTS-3SDI+は、小型ですが、多機能で、太陽時、月時、恒星時駆動。PECやバックラッシュ補正
機能が、備わっています。しかし、設定のボタン操作が、複雑なために私は、これらの機能を
使っていないので、ここでは、説明を省略します。

1、電源について
 MTS-3SDI+には、基本的に電源スイッチは、ありません。電源のON/OFFは、電源プラグの抜き
 差しで行います。

イメージ 1


2、スイッチの説明
 MTS-3SDI+には、3つのスイッチが、付いています。1つは、コントロールBOX上部に10ビット
 ディップスイッチ、もう2つは、FAST/SlowとON/OFFのスイッチです。
 コントロールBOX上部の10ビットディップスイッチは、上がONで、下がOFFです。

 コントロールBOX上部の10ビットディップスイッチで、重要なのは、9、10番スイッチで、
 この9、10番スイッチで赤経、赤緯のモーターの回転の切り替えを行います。デフォルトでは
 9、10番スイッチOFFで、北半球モードになっています。
 南半球で、使う場合や、赤道儀とモーターとの接続ギアの個数に寄っては、モーターの回転を
 逆にする必要があるこのときは、9、10番スイッチをONにします。
 モーターの回転の切り替えは、9、10番スイッチをONまたは、OFFした後に電源を入れなおすと
 モーターの回転が、切り替わります。

 ON/OFFのスイッチは、モーターの回転/停止スイッチです。ONで、モーターが、回転、
 OFFで、モーターの回転が、停止します。

 FAST/Slowのスイッチは、RA、DEのボタンを押したときの速さの切り替えスイッチです。
 Slowの時は、赤経、赤緯共に恒星時の0.5倍速です。

3、FASTのスピード設定
 FASTのスピード設定は、MODEのボタンを押しながらDE+または、DE-のボタンを押して行います。
 MODEのボタンを押しながらDE+ボタンを押して行くとFASTのスピードが速くなります。
 MODEのボタンを押しながらDE-ボタンを押して行くとFASTのスピードが遅くなります。

 最高速は、ROMの設定で行った最高速度です。
 最低速は、恒星時の0.5倍速です。

4、オートガイド
 オートガイドを行う場合は、FAST/SlowのスイッチをSlowにして、行います。
 もし、FASTで行うと、3で設定したスピードで、修正を行うので、注意してください。

5、自動導入
 MTS-3SDI+は、ファームウェアのバージョンが、3.0以降は、LX200コマンドになっています。
 そのためThe Skyやステラナビゲーターでは、ミードのLX200やVixenのSS2Kで、ソフトと接続
 できます。また、ASCOMに対応した星図ソフトのCielやNorthern skyなどでは、Generic LX200
 ProtocolやSkySensor2000-PCで、ソフトと接続できます。
 このときGeneric LX200 Protocolでは、接続できるCOMポートが、3までしかないので、COM
 ポートが、3を超える場合は、SkySensor2000-PCを使います。

 お使いになるソフトの自動導入操作は、各ソフトのマニュアルを参照してください。


さて、これで、私のMTS-3SDI+の基本的な使い方の説明は、終わりです。
参考になるでしょうか?

ところで、K-ASTECさんが、このところ何台かMTS-3SDI+を代行輸入されていますが、日本では、
どれくらいのユーザーが、おられるのでしょうかね?
[ 2009/02/15 23:08 ] 機材 | TB(0) | CM(0)

MTS-3SDI+ ソフト編

今回は、MTS-3SDI+の設定の変更方法を説明します。

MTS-3SDI+は、汎用のモータードライブで、初期設定のROMデータを書き換えることで、
どのような赤道儀にも対応できます。

MTS-3SDI+のROMデータを書き換えるためには、専用の書き換えソフトをメーカーサイト
からダウンロードする必要があります。しかし、現在、Boxdoerfer Elektronikの
ホームページが、改定中で、アクセスできないので、必要なものをUPしていますので、
以下からダウンロードしてください。
http://www.geocities.jp/ngc4826/download/mts3/mtsconfi.zip

MTS-3SDI+のROMデータは、mtsconfiのフォルダーにあるMTS形式のファイルです。
MTSファイルのフォーマットは、アスキーコードなので、適当なエディタソフトで、開く
ことができます。
vixesc12.mtsというファイルを開くと、以下のような内容になっています。

 ;MTSconfi.exe configuration file for Escap P530-004 motors and Vixen mounts
 ;Data for 12 Volt, can be changed as needed.
 ;Motors are rated for 6V, so the current must be reduced to 50% for 12V.
 ;Some values are only used for specific models.
 ;Unused values can be deleted or they are just ignored if present.
 RAslow = 4.0109558 ;144*12*200/86164
 RAfast = 64.18 ;16x
 DEslow = 4.0109558
 DEfast = 64.18 ;16x
 RAMG = 2400 ;12*200=2400
 DEcurrent = 500;MTS-4 only
 RAcurrent = 500;MTS-4 only
 DEpwm = 50% ;MTS-3SLP, MTS-3SDI only
 RApwm = 50% ;MTS-3SLP, MTS-3SDI only
 DElimit = 1200;MTS-3SLP, MTS-3SDI only
 RAlimit = 1200 ;MTS-3SLP, MTS-3SDI only
 Acceleration = 2
 Stepsize = 1/64;MTS-3SDI, MTS-4 only
 Corrfactor = 1.5

このうちで、MTS-3SDI+で、使用する赤道儀に合わせて設定を変更する必要があるパラメータは
RAMG、RAslow、RAfast、DEslow、DEfast、RApwm、DEpwmです。

それぞれのパラメータの計算内容は、以下のようになります。
計算に必要なステッピングモーターの規格は、ステッピングモーターのデーターシートを
ご覧ください。

 RAMG = 接続ギア比×ステッピングモーターのフルステップ数×2

 RAslow =(ウォームギア数×接続ギア比×ステッピングモーターのフルステップ数×2)/86164

 RAfast = RAslow×最高速度

 DEslow = (ウォームギア数×接続ギア比×ステッピングモーターのフルステップ数×2)/86164

 DEfast = DEslow×最高速度

 RApwm = モーターの定格電流値×(モーターのコイル抵抗値×ケーブルの抵抗値)/電圧(V)

 DEpwm = モーターの定格電流値×(モーターのコイル抵抗値×ケーブルの抵抗値)/電圧(V)


これを元に必要な値を計算しますが、面度なので、これらを計算するExelのシートを作って
mtsconfiの中に入れていますので、活用してください。
設定変更に必要なMTSファイルは、適当なMTSファイルを雛形にして作成してください。

実際の設定値の計算の例を示します。現在、GP赤道儀で使っているステッピングモーターPF35T-48031Gは、
以下のような規格です。

 PF35T-48031G
 モーターのコイル抵抗値       :6.5Ω
 モーターの定格電流値        :0.7A
 減速ギア比             :1/125
 ステッピングモーターのフルステップ数:48
 電源電圧              :12V


これを元にGP赤道儀+PF35T-48031GでのMTSファイルの内容は、以下のようになります。

 Device = MTS-3SXX
 RAMG = 12000
 DEslow = 20.054779
 DEfast = 2404.5700
 RAslow = 20.054779
 RAfast = 2404.5700
 Corrfactor = 1.500000
 Acceleration = 2
 Stepsize = 1/64
 DEpwm = 44.9%
 RApwm = 44.9%
 DElimit = 450
 RAlimit = 450


設定変更に必要なファイルができたら、これをMTS-3SDI+に書き込むことになります。
ROMデータの変更は、シリアル通信で行います。このときの接続は、自動導入の時と
同じです。書き換えに対応しているポート番号は、4までです。USB-シリアル変換を
使ってもROMデータの変更は、可能ですが、Windowsに認識されているCOMポートが、
4を超えている場合は、COMポートを4以下のポートに変更してください。

ROMデータを書き換えるソフトは、mtsconfiのフォルダーにあるmtsconfi.exeですが、
DOSのソフトなんので、コマンドプロンプトからコマンドを入力する必要があります。

書き換え手順は、以下のようになります。

1、MTS-3のSWをSlowとOFFにして電源を入れる。

2、コマンドプロンプトからmtsconfiのディレクトリに移動します。
  mtsconfi.exe /?でヘルプを表示します。

 D:\mtsconfi>mtsconfi.exe /?
 ***** MTSCONFI Version 1.00 by Boxd排fer Elektronik 2002 *****
  Easy parameter read and programming for telescope drives
 SINUS II, PowerFlex MTS-3, MTS-3LP, MTS-3SLP, MTS-3SDI, MTS-4S

 Command line options
 -? Help message
 -PCOM1 Use COM1
 -PCOM2 Use COM2
 -PCOM3 Use COM3
 -PCOM4 Use COM4
 -Wfile Save old data to file
 -Rfile Read new data from file


3、MTS-3SDI+との接続とROMデータの書き換え
  COMポート1にMTS-3が繋がっている場合、以下のように入力します。
  D:\mtsconfi>mtsconfi.exe -pcom1

  以下のようなCOMポート確認が表示されます。

   Select COM-port [ESC=break ENTER=Ok]:
   COM1

  これでOKならばEnterキーを押します。
  正常にMTS-3に繋がっていれば現在の設定が読み込まれ、表示されます。

   PowerFlex MTS-3SXX detected
   Reading parameter memory...100%
   Device = MTS-3SXX
   RAMG = 12000
   DEslow = 20.054779
   DEfast = 2400.000000
   RAslow = 20.054779
   RAfast = 2400.000000
   Corrfactor = 1.500000
   Acceleration = 2
   Stepsize = 1/64
   DEpwm = 45.7%
   RApwm = 45.7%
   DElimit = 450
   RAlimit = 450


  読み込んだ設定を保存する場合は、名前を付けてEnterキーを押します。
  保存しない場合は、Escキーを押します。

   Save old data to file [ESC=break ENTER=save]:
   BACKUP.MTS

  書き込むファイルを入力して、Enterキーを押します。

   Load new data from file [ESC=break ENTER=load]:
   GP.MTS

  ROMデータの書き換えの確認が表示されるので、OKならばEnterキーを押します。
  ESCキーを押すとROMデータを書き換えずにプログラムが終了します。

   Write new data to MTS-3SXX [ESC=break ENTER=write]:

  ROMデータの書き換えが正常に行われると以下のように表示されます。

   Writing parameter memory...100%
   Verifying parameter memory...100%Verify Ok
   Data successful programmed

これでROMデータの書き換えは、完了です。

もし、MTS-3SDI+のROMデータを初期化したい場合は、RAとDECの4つのボタンを同時に押した
状態で、ON OFFのSWをOFFからONにして、RAとDECの4つのボタンを放して、SWをOFFにすると
ROMデータが初期化されます。

[ 2009/02/11 23:23 ] 機材 | TB(0) | CM(12)

QSI583が登場

QSI http://www.qsimaging.com/index.html からKAF8300のCCDを搭載した冷却CCDカメラが、
ついに出ましたね。
現在、予約受付中で、3月から発売されると発表されています。
http://www.qsimaging.com/583-overview.html

イメージ 1


価格は、最小構成のメカニカルシャッターのみが、$3595、
メカニカルシャッター+フィルターホイールの構成が、$3,990、
メカニカルシャッター+フィルターホイール+オフアキシスの構成が、$4,490

買うのであれば、メカニカルシャッター+フィルターホイール+オフアキシス構成の
QSI583WSGが、お得でしょう。

イメージ 2


価格が、私が使っているQSI540よりも安くなっているのは、使われているKAF8300が、
一部の一眼デジカメなどのデジタルカメラに使われている3/4サイズのCCDであるため
CCDの単価が安いからでしょう。

QSI583の構成は、3/4サイズのCCDのKAF8300で、フィルターサイズは、1.25インチと
他のメーカーのカメラと比べるとフィルターサイズが、小さくなっています。
QSIのカメラは、CCDとフィルターとの位置が短いので、3/4サイズのCCDでも1.25インチ
のフィルターで、蹴られが出ないので、1.25インチサイズのフィルターが、使える
500シリーズで、カメラを出したのでしょう。

感度は、Haの感度が高いのですが、1ピクセルが、5.4ミクロンと小さいので、あまり
焦点距離の長い望遠鏡では、日本の気象条件では、シンチレーションの影響が大きく
なるので、向かないと思います。日本の気象条件下では、実用的な焦点距離は、800mm以下
でしょうね。
でも、1つ持っていて損のない冷却CCDカメラですね。
[ 2009/02/09 01:33 ] 機材 | TB(0) | CM(0)

MTS-3SDI+ ハード編

これから何回かに分けてMTS-3を使うためのノウハウを公開したいと思います。
今回は、まずハード編です。

MTS-3は、オートガイド、自動導入対応のモータードライブですが、本体には、オートガイドと
自動導入に使う端子が、無いので、これらを使えるように工作する必要があります。

MTS-3のインターフェイスは、本体の裏面にあり、コネクタは、7×2列の14ピンのMILコネクタになっています。

イメージ 1


ピン配置は、下図のようになっています。

イメージ 2


なので、オートガイドと自動導入を行うためには、これらの端子を取り出す必要があります。
各端子の接続は、以下のようになります。
オートガイド端子は、3、5、7、9番ピンと4番ピンのGNDを出力端子に繋ぎます。
シリアル通信端子は、10、11番ピンと4番ピンのGNDを出力端子に繋ぎます。
GNDは、オートガイド端子とシリアル通信端子と共通になります。

私は、タカチのプラスチックケースを使ってMTS-3に取り付けるランドセルを作り取り付けています。
オートガイド端子とシリアル通信端子は、タカハシのTemmaと共通にしているので、下の写真の様に
なっています。

イメージ 3



ランドセルを取り付けたところが、下の写真です。

イメージ 4

[ 2009/02/01 00:36 ] 機材 | TB(0) | CM(5)