21日にMさんと奈良県の吉野にルーリン彗星を撮影に行ってきました。 天気は、ほぼ一晩快晴で、ルーリン彗星の他にも撮影ができました。
ルーリン彗星の動きの撮影データ 露出時間:L 30×3分 2×2ビニング 望遠鏡:FSQ-106N カメラ:QSI540 WSG フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター Lフィルターで撮影 赤道儀:EM-200Temma2
あと、この日撮影した馬頭星雲としし座のトリオです。
馬頭星雲 露出時間:L 6×10分 RGB 5×3分 冷却温度:-30℃ フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター 望遠鏡:FSQ-106N カメラ:QSI540 WSG ガイドカメラ:SSAG 赤道儀 :EM-200Temmm2
しし座のトリオ 露出時間:L 6×10分 RGB 5×3分 冷却温度:-30℃ フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター 望遠鏡:FSQ-106N カメラ:QSI540 WSG ガイドカメラ:SSAG 赤道儀 :EM-200Temmm2
スポンサーサイト
MTS-3SDI+は、小型ですが、多機能で、太陽時、月時、恒星時駆動。PECやバックラッシュ補正 機能が、備わっています。しかし、設定のボタン操作が、複雑なために私は、これらの機能を 使っていないので、ここでは、説明を省略します。
1、電源について MTS-3SDI+には、基本的に電源スイッチは、ありません。電源のON/OFFは、電源プラグの抜き 差しで行います。
2、スイッチの説明 MTS-3SDI+には、3つのスイッチが、付いています。1つは、コントロールBOX上部に10ビット ディップスイッチ、もう2つは、FAST/SlowとON/OFFのスイッチです。 コントロールBOX上部の10ビットディップスイッチは、上がONで、下がOFFです。
コントロールBOX上部の10ビットディップスイッチで、重要なのは、9、10番スイッチで、 この9、10番スイッチで赤経、赤緯のモーターの回転の切り替えを行います。デフォルトでは 9、10番スイッチOFFで、北半球モードになっています。 南半球で、使う場合や、赤道儀とモーターとの接続ギアの個数に寄っては、モーターの回転を 逆にする必要があるこのときは、9、10番スイッチをONにします。 モーターの回転の切り替えは、9、10番スイッチをONまたは、OFFした後に電源を入れなおすと モーターの回転が、切り替わります。
ON/OFFのスイッチは、モーターの回転/停止スイッチです。ONで、モーターが、回転、 OFFで、モーターの回転が、停止します。
FAST/Slowのスイッチは、RA、DEのボタンを押したときの速さの切り替えスイッチです。 Slowの時は、赤経、赤緯共に恒星時の0.5倍速です。
3、FASTのスピード設定 FASTのスピード設定は、MODEのボタンを押しながらDE+または、DE-のボタンを押して行います。 MODEのボタンを押しながらDE+ボタンを押して行くとFASTのスピードが速くなります。 MODEのボタンを押しながらDE-ボタンを押して行くとFASTのスピードが遅くなります。
最高速は、ROMの設定で行った最高速度です。 最低速は、恒星時の0.5倍速です。
4、オートガイド オートガイドを行う場合は、FAST/SlowのスイッチをSlowにして、行います。 もし、FASTで行うと、3で設定したスピードで、修正を行うので、注意してください。
5、自動導入 MTS-3SDI+は、ファームウェアのバージョンが、3.0以降は、LX200コマンドになっています。 そのためThe Skyやステラナビゲーターでは、ミードのLX200やVixenのSS2Kで、ソフトと接続 できます。また、ASCOMに対応した星図ソフトのCielやNorthern skyなどでは、Generic LX200 ProtocolやSkySensor2000-PCで、ソフトと接続できます。 このときGeneric LX200 Protocolでは、接続できるCOMポートが、3までしかないので、COM ポートが、3を超える場合は、SkySensor2000-PCを使います。
お使いになるソフトの自動導入操作は、各ソフトのマニュアルを参照してください。
さて、これで、私のMTS-3SDI+の基本的な使い方の説明は、終わりです。 参考になるでしょうか?
ところで、K-ASTECさんが、このところ何台かMTS-3SDI+を代行輸入されていますが、日本では、 どれくらいのユーザーが、おられるのでしょうかね?
今回は、MTS-3SDI+の設定の変更方法を説明します。 MTS-3SDI+は、汎用のモータードライブで、初期設定のROMデータを書き換えることで、 どのような赤道儀にも対応できます。 MTS-3SDI+のROMデータを書き換えるためには、専用の書き換えソフトをメーカーサイト からダウンロードする必要があります。しかし、現在、Boxdoerfer Elektronikの ホームページが、改定中で、アクセスできないので、必要なものをUPしていますので、 以下からダウンロードしてください。http://www.geocities.jp/ngc4826/download/mts3/mtsconfi.zip MTS-3SDI+のROMデータは、mtsconfiのフォルダーにあるMTS形式のファイルです。 MTSファイルのフォーマットは、アスキーコードなので、適当なエディタソフトで、開く ことができます。 vixesc12.mtsというファイルを開くと、以下のような内容になっています。 ;MTSconfi.exe configuration file for Escap P530-004 motors and Vixen mounts ;Data for 12 Volt, can be changed as needed. ;Motors are rated for 6V, so the current must be reduced to 50% for 12V. ;Some values are only used for specific models. ;Unused values can be deleted or they are just ignored if present. RAslow = 4.0109558 ;144*12*200/86164 RAfast = 64.18 ;16x DEslow = 4.0109558 DEfast = 64.18 ;16x RAMG = 2400 ;12*200=2400 DEcurrent = 500;MTS-4 only RAcurrent = 500;MTS-4 only DEpwm = 50% ;MTS-3SLP, MTS-3SDI only RApwm = 50% ;MTS-3SLP, MTS-3SDI only DElimit = 1200;MTS-3SLP, MTS-3SDI only RAlimit = 1200 ;MTS-3SLP, MTS-3SDI only Acceleration = 2 Stepsize = 1/64;MTS-3SDI, MTS-4 only Corrfactor = 1.5 このうちで、MTS-3SDI+で、使用する赤道儀に合わせて設定を変更する必要があるパラメータは RAMG、RAslow、RAfast、DEslow、DEfast、RApwm、DEpwmです。 それぞれのパラメータの計算内容は、以下のようになります。 計算に必要なステッピングモーターの規格は、ステッピングモーターのデーターシートを ご覧ください。 RAMG = 接続ギア比×ステッピングモーターのフルステップ数×2 RAslow =(ウォームギア数×接続ギア比×ステッピングモーターのフルステップ数×2)/86164 RAfast = RAslow×最高速度 DEslow = (ウォームギア数×接続ギア比×ステッピングモーターのフルステップ数×2)/86164 DEfast = DEslow×最高速度 RApwm = モーターの定格電流値×(モーターのコイル抵抗値×ケーブルの抵抗値)/電圧(V) DEpwm = モーターの定格電流値×(モーターのコイル抵抗値×ケーブルの抵抗値)/電圧(V) これを元に必要な値を計算しますが、面度なので、これらを計算するExelのシートを作って mtsconfiの中に入れていますので、活用してください。 設定変更に必要なMTSファイルは、適当なMTSファイルを雛形にして作成してください。 実際の設定値の計算の例を示します。現在、GP赤道儀で使っているステッピングモーターPF35T-48031Gは、 以下のような規格です。 PF35T-48031G モーターのコイル抵抗値 :6.5Ω モーターの定格電流値 :0.7A 減速ギア比 :1/125 ステッピングモーターのフルステップ数:48 電源電圧 :12V これを元にGP赤道儀+PF35T-48031GでのMTSファイルの内容は、以下のようになります。 Device = MTS-3SXX RAMG = 12000 DEslow = 20.054779 DEfast = 2404.5700 RAslow = 20.054779 RAfast = 2404.5700 Corrfactor = 1.500000 Acceleration = 2 Stepsize = 1/64 DEpwm = 44.9% RApwm = 44.9% DElimit = 450 RAlimit = 450 設定変更に必要なファイルができたら、これをMTS-3SDI+に書き込むことになります。 ROMデータの変更は、シリアル通信で行います。このときの接続は、自動導入の時と 同じです。書き換えに対応しているポート番号は、4までです。USB-シリアル変換を 使ってもROMデータの変更は、可能ですが、Windowsに認識されているCOMポートが、 4を超えている場合は、COMポートを4以下のポートに変更してください。 ROMデータを書き換えるソフトは、mtsconfiのフォルダーにあるmtsconfi.exeですが、 DOSのソフトなんので、コマンドプロンプトからコマンドを入力する必要があります。 書き換え手順は、以下のようになります。 1、MTS-3のSWをSlowとOFFにして電源を入れる。 2、コマンドプロンプトからmtsconfiのディレクトリに移動します。 mtsconfi.exe /?でヘルプを表示します。 D:\mtsconfi>mtsconfi.exe /? ***** MTSCONFI Version 1.00 by Boxd排fer Elektronik 2002 ***** Easy parameter read and programming for telescope drives SINUS II, PowerFlex MTS-3, MTS-3LP, MTS-3SLP, MTS-3SDI, MTS-4S Command line options -? Help message -PCOM1 Use COM1 -PCOM2 Use COM2 -PCOM3 Use COM3 -PCOM4 Use COM4 -Wfile Save old data to file -Rfile Read new data from file 3、MTS-3SDI+との接続とROMデータの書き換え COMポート1にMTS-3が繋がっている場合、以下のように入力します。 D:\mtsconfi>mtsconfi.exe -pcom1 以下のようなCOMポート確認が表示されます。 Select COM-port [ESC=break ENTER=Ok]: COM1 これでOKならばEnterキーを押します。 正常にMTS-3に繋がっていれば現在の設定が読み込まれ、表示されます。 PowerFlex MTS-3SXX detected Reading parameter memory...100% Device = MTS-3SXX RAMG = 12000 DEslow = 20.054779 DEfast = 2400.000000 RAslow = 20.054779 RAfast = 2400.000000 Corrfactor = 1.500000 Acceleration = 2 Stepsize = 1/64 DEpwm = 45.7% RApwm = 45.7% DElimit = 450 RAlimit = 450 読み込んだ設定を保存する場合は、名前を付けてEnterキーを押します。 保存しない場合は、Escキーを押します。 Save old data to file [ESC=break ENTER=save]: BACKUP.MTS 書き込むファイルを入力して、Enterキーを押します。 Load new data from file [ESC=break ENTER=load]: GP.MTS ROMデータの書き換えの確認が表示されるので、OKならばEnterキーを押します。 ESCキーを押すとROMデータを書き換えずにプログラムが終了します。 Write new data to MTS-3SXX [ESC=break ENTER=write]: ROMデータの書き換えが正常に行われると以下のように表示されます。 Writing parameter memory...100% Verifying parameter memory...100%Verify Ok Data successful programmed これでROMデータの書き換えは、完了です。 もし、MTS-3SDI+のROMデータを初期化したい場合は、RAとDECの4つのボタンを同時に押した 状態で、ON OFFのSWをOFFからONにして、RAとDECの4つのボタンを放して、SWをOFFにすると ROMデータが初期化されます。
価格は、最小構成のメカニカルシャッターのみが、$3595、 メカニカルシャッター+フィルターホイールの構成が、$3,990、 メカニカルシャッター+フィルターホイール+オフアキシスの構成が、$4,490
買うのであれば、メカニカルシャッター+フィルターホイール+オフアキシス構成の QSI583WSGが、お得でしょう。
価格が、私が使っているQSI540よりも安くなっているのは、使われているKAF8300が、 一部の一眼デジカメなどのデジタルカメラに使われている3/4サイズのCCDであるため CCDの単価が安いからでしょう。
QSI583の構成は、3/4サイズのCCDのKAF8300で、フィルターサイズは、1.25インチと 他のメーカーのカメラと比べるとフィルターサイズが、小さくなっています。 QSIのカメラは、CCDとフィルターとの位置が短いので、3/4サイズのCCDでも1.25インチ のフィルターで、蹴られが出ないので、1.25インチサイズのフィルターが、使える 500シリーズで、カメラを出したのでしょう。
感度は、Haの感度が高いのですが、1ピクセルが、5.4ミクロンと小さいので、あまり 焦点距離の長い望遠鏡では、日本の気象条件では、シンチレーションの影響が大きく なるので、向かないと思います。日本の気象条件下では、実用的な焦点距離は、800mm以下 でしょうね。 でも、1つ持っていて損のない冷却CCDカメラですね。
これから何回かに分けてMTS-3を使うためのノウハウを公開したいと思います。 今回は、まずハード編です。
MTS-3は、オートガイド、自動導入対応のモータードライブですが、本体には、オートガイドと 自動導入に使う端子が、無いので、これらを使えるように工作する必要があります。
MTS-3のインターフェイスは、本体の裏面にあり、コネクタは、7×2列の14ピンのMILコネクタになっています。
ピン配置は、下図のようになっています。
なので、オートガイドと自動導入を行うためには、これらの端子を取り出す必要があります。 各端子の接続は、以下のようになります。 オートガイド端子は、3、5、7、9番ピンと4番ピンのGNDを出力端子に繋ぎます。 シリアル通信端子は、10、11番ピンと4番ピンのGNDを出力端子に繋ぎます。 GNDは、オートガイド端子とシリアル通信端子と共通になります。
私は、タカチのプラスチックケースを使ってMTS-3に取り付けるランドセルを作り取り付けています。 オートガイド端子とシリアル通信端子は、タカハシのTemmaと共通にしているので、下の写真の様に なっています。
ランドセルを取り付けたところが、下の写真です。