自動導入モータードライブの製作を再開しようとしているところですが、これまで、使えるかと
思っていろいろなマイコンを使って自動導入モータードライブを作ってみましたが、どれも完全な
形にならなかったので、ここで、自動導入に使うマイコンを再検討してみました。
自動導入モータードライブに使うマイコンに必要な機能は、以下になります。
16ビットタイマー2個、8ビットタイマー2個または、16ビットタイマー4個
SRAMの容量4KB以上
動作クロック 40MHz
マイコンの命令長は、自動導入処理自体は、それほど複雑ではないので、8ビットでも可能です。
ドイツ製の自動導入モータードライブMTS-3SDI+は、AtmelのAT89C51ED2という8ビットマイコンを
使ってます。
マイコンのスペックは、上記のようになりますが、個人で、製作するには、マイコンの入手のし易さと
開発環境をなるべくお金を掛けずに作れることと、プログラムに関する情報が入手しやすいことなどを
考えると使えるマイコンが、限られてしまいます。
で、これらのことを考えると使えるマイコンは、ルネサステクノロジーの32ビットRISCマイコンSH-2の
SH7125を使った秋月電子通商のSH7125マイコンボードと同じくSH7144を使ったSH7144マイコンボード
くらいしかあてはまる物が、ありません。このうちSH7125は、動作電圧が、5Vなので、周辺回路のことも
考えると使いやすいと思います。
この秋月電子通商のSH7125マイコンボードは、以前、このブログでも書きましたが、スペックは、
フラッシュROM 128KB、SRAM 8KB、シリアル3ch、16ビットタイマー6chを持っており、動作クロックも
入力は、12.5MHzですが、コアのクロックが、4倍になるので、動作クロックは50MHzになります。
開発環境もフリーで構築できるので、これからは、このSH7125マイコンボードを使って自動導入モーター
ドライブを作り直そうと考えます。
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20日に吉野に行って来ました。この日集まったメンバーは、Mさん、Mさんの元同僚の方、2名にKiriさん、
kazさん、EF300さんそれによっちゃんさんと大世帯になりました。
天気は、雨上がりで、透明度も良く一晩快晴でした。撮影は、快調で、M106とM64を撮影しました。
この日は、よっちゃんさんのML8300のファースライトでしたが、ε-180EDの光軸が、ずれていて、現地で
Mさんが、光軸調整を行いましたが、完全に合わすことができず、夜が明けてからっも光軸調整を行い
ましたが、上手くいかず、帰りによっちゃんさんは、Mさん宅に寄ってε-180EDの光軸調整をしたそうです。
M106
露出時間:L 9×10分 RGB 5×3分
冷却温度:-30℃
フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター
望遠鏡:FSQ-106N
カメラ:QSI540 WSG
ガイドカメラ:SSAG
赤道儀 :EM-200Temmm2
ピクセル等倍で切り出したNGC4217です。このエッジオン銀河は、M106のすぐ横にある系外銀河です。
意外と視直径が大きく、M64と同じくらいなので、25cm F8クラスのRCで撮影しても面白い天体ですね。
M64 NGC4826
露出時間:L 8×10分 RGB 5×3分
冷却温度:-30℃
フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター
望遠鏡:FSQ-106N
カメラ:QSI540 WSG
ガイドカメラ:SSAG
赤道儀 :EM-200Temmm2
久しぶりの電子工作ネタです。
自動導入モータードライブをこつこつ作っているのですが、昨年の終わりごろから
仕事が、忙しかったりで、ペンディング状態だったのですが、いつまでも放置して
おくこともできないので、また、ボチボチ開発を再開しようとしております。
今までの状態は、H8マイコンの3694Fを使ってLX200コマンド互換の自動導入モーター
ドライブを作ることまでは、できているのですが、高速の導入時にモーターが、脱調
することがある。
なぜ、モーターが、脱調する現象が、起きるかを調べたところ、PCに赤経、赤緯の
データを送信する際にステップデーターを元に赤経、赤緯の位置を計算して、計算結果を
バイナリーからアスキーに変換して、LX200のフォーマットに変換するところが、原因で
あるところまで突き止めました。
で、なぜここが、原因かというと、モーターを高速で回転させるとマイコンの割り込み
周期が、短くなる。ここに1秒間隔で、PCから送られる赤経、赤緯の位置データ送信
コマンド処理を行わなければならなくなり、複雑な処理が、立て込んでしまう。そのために
割り込みが、発生したときに計算処理のスタック処理が、追いつかずに、割り込み処理が、
瞬間的に遅れるためだからです。
モーターが高速で回転している状態では、短い時間であっても割り込み処理が、遅れると
モーターの回転が狂うために脱調を起こすことになります。
マイコンを使って自動導入制御を行う場合、自動導入を行うための計算処理は、それほど
難しいものではありませんが、扱うデータの容量が、大きいためにどうしてもRAMの容量が
必要になります。今回の高速の導入時にモーターが、脱調する現象を無くするためにマイコンを
H8 Tinyの3694FからRAMの容量の大きなAtmelのATmega128に換えてみましたが、こうなって
くると処理の速度も必要になりそうなので、やはり32ビットマイコンのSH2マイコンを使わ
ないといけないのかとも思い始めてます。
あ~、根本的に設計のやり直しか~!!
初めから能力のあるマイコンを使っていればこんな事は、なかったのでしょうね。
QSIの冷却CCDカメラについて聞かれることがあるので、個人的なレポートをしてみます。
QSIの冷却CCDカメラの500シリーズのWSGは、メカニカルシャッター、フィルターホイール
オフアキシスユニットが、一体になった仕様になっています。
オフアキシスのプリズムは、フィルターホイールの前にあるので、フィルターが、換わる
ことで、ガイド星を見失うことはありません。
オフアキシスユニットは、フォーカスリングとTマウントアダプタの視野の回転機構が、
付いており写真のような構造になっています。
また、このオフアキシスユニットは、Tマウントで、OrionのSSAGやミードのDSIと繋げると
メインのCCDと同焦点になる設計になっています。
FSQ-106Nに取り付けたところが、下の写真です。
カメラ本体にオフアキシスユニットが付いているので、接眼部の繰り出し量が、少ない
ニュートン反射でも無理なくオフアキシスガイドができるようになっています。
接眼部への取り付けですが、500シリーズのWSGは、非常にコンパクトですが、私が使って
いるQSI540WSGでも重量が、1.3Kgあります。そのため2インチスリーブやカメラマウントで
望遠鏡に取り付けた場合、ほぼ確実にたわみます。はじめ、試しにEOSマウントを介して
望遠鏡に取り付けてみましたが、すぐにたわんでいるのが確認できたので、やめました。
現在は、2.156インチ-M57P0.75の変換リングを介して望遠鏡に取り付けています。
冷却温度ですが、これは、機種によって多少かわりますが、私の持っているQSI540WSGは、
外気温から-40℃です。
QSIの冷却CCDカメラは、カメラのボディーが、大きな放熱装置になっているので、冷却
効率は、いいです。
ノイズですが、QSI540WSGのCCDは、Kodak KAI-04022 で、ローノイズのCCDですが、メーカー
自体が、ローノイズを謳っています。
使ってみての感想は、フィルターホイール、オフアキシスユニットが、一体になっている
ので、オフアキシスのピントを出しておくとメインのCCDで、ピントを合わせるだけで、
撮影体制に入れるので、立ち上がりが早いですし、撮影システムが、コンパクトになりました。
写真は、先日、吉野で撮影したときのシステムです。
QSIの冷却CCDカメラは、SBIGやFLIの冷却CCDカメラとは、また違ったシステム構成で
性能も良いので、お勧めの冷却CCDカメラですね。
QSIのカメラは、この先ラージフォーマットCCDの700シリーズも出るので、こちらも期待
できると思います。
先日、奈良県の吉野で撮影した馬頭星雲としし座のM65、66とNGC3628の画像を再処理しました。
馬頭星雲
露出時間:L 6×10分 RGB 5×3分
冷却温度:-30℃
フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター
望遠鏡:FSQ-106N
カメラ:QSI540 WSG
ガイドカメラ:SSAG
赤道儀 :EM-200Temmm2
しし座のM65、66とNGC3628
露出時間:L 6×10分 RGB 5×3分
冷却温度:-30℃
フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター
望遠鏡:FSQ-106N
カメラ:QSI540 WSG
ガイドカメラ:SSAG
赤道儀 :EM-200Temmm2