天気が悪いのでポチった訳ではありませんが、ポラリエがやって来ました。
大阪の協栄産業で、展示用のモデルを見ていましたが、実物は、結構良いですね。
何と言っても全てが、本体にまとめられていてコンパクトです。
アイベルのCD-1と並べるとそのコンパクトさが良く分かります。重さもCD-1の2/3位で、
軽いです。
また、ポタ赤で使うカメラレンズは、魚眼から標準レンズ位なので、極軸望遠鏡は
穴で十分なのですが、アイベルのDC-1の極軸用のパイプは、瞳の大きさよりも小さい
ので、非常に極軸を合わせ難かったのですが、ポラリエの極軸用の穴は、瞳の大きさ
よりも大きいので、極軸が、合わせ易いです。
いや~、しかし、これは、天体写真にイノベーションを起こすと思いますね。
非常にコンパクトで使い易い構成ですし、電源も小さくてすむので、旅行に簡単に
持って行けますし、これだけコンパクトだと登山にも持って行けます。
このポラリエは、これから天体写真を始められる方にも向いていますし、天体写真の
ベテランの方にもサブとして持っていて損の無いポタ赤だと思いますね。
ポラリエは、Vixenの久々のヒット作品だと思います。
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フラット画像を撮影するのにELシートを使っておられる方も多いと思いますが、
ELシートは、元々電飾照明用なので、発光色が、白色でも発光している光の
波長は、可視光とは異なりますし、面状発光体ですが、発光ムラもあります。
拡散板として乳白色半透明のアクリル板を使うと、ある程度均一になりますが、
ELシート自体に発光ムラがあるので、完全なフラットは、撮影できません。
より均一なフラットを撮影するのであれば、乳白色半透明のアクリル板などの
拡散板を鏡筒の前に置いて、スカイフラットを撮影する方が、発光ムラなどが
ないので、ELシートを使ったときよりも良いフラット画像を得られます。
スカイフラットを撮影する場合、鏡筒の前に拡散板を置いて、200倍速程度の
速さで、動かしながらフラットを撮影すると、より質の良いフラットが得られる
そうです。
ELシートを使ってのフラット撮影は、天候や場所を選ばないので、楽ですが、
ELシートでのフラット処理が、上手くできないのであれば、スカイフラットを
使う方が、良いと思います。
私が作ったELシートの明るさを調整できるEL用インバータは、依頼されて
結構な数を作って、よっちゃんをはじめ、多くの方が、使っておられます。
これは現在、頒布していませんが、ちょくちょく問い合わせが来ますし、周りからは、
もっと小型化を求める声がもあるのですが、いろいろ忙しく、出来ない状態ですが
考えているので、時間ができれば改良すると思います。
で、明るさを調整できるEL用インバータを自作するのであれば共立電子のEL用インバータ
ユニット INV-400と秋月電子通商の大容量出力可変安定化電源キットを組み合わせれば、
簡単に作ることができます。
作るに当たって、注意することは、ELの出力は、高周波で、100V近い高電圧なので、
感電などしないように絶縁して、ELシートと接続することです。
これでもA3サイズのELシートを発光させることができるので、口径20cm位までの
望遠鏡で十分使えます。
最近、巷のごく一部で話題になっているOAG9ですが、私のブログで、紹介したのが、2010年3月7日でした。
それから日本でもユーザーの方が、増えて、今では、”レア”なオフアキでもなくなりました。
しかし、OAG9の使用レポートが、少ないので、これまで使った使用感などを書きます。
カメラとの接続
OAG9で注意しなければならないのは、光長が9mmなのは、Tリング仕様の物で、EOSマウント仕様では
11mmになります。なので、バックフォーカスが、56mmのBORGのレデューサーやMPCCなどのコマコレでは
望遠鏡との接続の余裕が、3mm以下になるので、EOSなどの一眼デジカメで、使う場合は、既存のリングを
使用することはできません。
OAG9は、EOSマウント以外で使う場合は、Tリング接続のNikonマウントやPentaxマウントを使わなければ
ならないので、さらに光長が、伸びます。
また、ニュートンで使う場合、接眼部の繰り出し量もあるので、タカハシのイプシロンなど補正レンズの
バックフォーカスが、決まっていて、接眼部の繰り出し量が、少ない望遠鏡では、ピントが、出ません。
タカハシのレデューサーは、バックフォーカス72.2mmで、余裕があるので使えますし、GSOのRC用
レデューサーやRCC-1などバックフォーカスの長いコマコレやレデューサーは使えます。
OAG9は、光長が、最短で9mmというオフアキシスガイダーとしては、極薄ですが、たとえ9mmでも光長が
伸びることは、他のオフアキシスガイダーと同じなので、使用する光学系をよく考えないといけません。
望遠鏡との接続
OAG9と望遠鏡の接続については、OAG9の望遠鏡側の接続が、M48mmP0.75 メスと、日本では、あまり
見かけない規格なので、注意が、必要です。私は、知り合いの天文仲間の方にM48mmP0.75オス-
M57P0.75オスの変換リングを作ってもらいました。
イメージサークルについて
OAG9用のEOSマウントは、内径が、36mmしかないので、5D MarkIIなどの35mmフルサイズのカメラでは、
周辺減光が、出ます。実用的には、APS-Cサイズまでです。
Tリング接続でも35mmフルサイズでは、周辺減光するので、冷却CCDでも35mmフルサイズのカメでは
使えません。
ピント調整は、ガイドカメラの台座のネジをゆるめて、ガイドカメラを抜き差しすることでしかできないので、
実際に使う前に昼間に遠方の風景などを利用して、メインカメラとガイドカメラのピントを大まかに合わせて
おいて、最後に実際の星で、ピントを追い込む必要があります。
OAG9の総評
OAG9の便利ところは、プリズムの位置を変えることが出来るところです。試写して、プリズムによるゴーストが
出たとしてもプリズムの位置を変えることで、解決できます。
OAG9は、極薄のオフアキシスガイダーですが、オフアキシスガイダーに変わりはないので、使い勝手としては
三ツ星などのオフアキシスガイダーと大して変わりがないと思います。
ただ、オフアキシスガイダーは、撮影システムが、出来てしまえばガイド鏡が、不要になりますし、ガイド精度も
上がるので、非常に便利なアイテムです。
購入方法
これ、結構重要かも。
現在、日本でも買えるようですが、今のユーロ安や内外価格差を考えればドイツのTeleskop-Serviceから直接
購入する方が、安くつきます。
OAG9のEU圏外への販売価格は208.4ユーロで、今の為替レートで計算すると日本円で、約20500円位です。
必要なパーツを含めて購入しても25000~28000円程度で、送料や諸経費を入れても3万円程度です。
Teleskop-Serviceは、PayPalが、使えるので、アカウントを作っておけば便利です。
昨年12月24日の深夜、岡山県の大芦高原で、非常に奇妙な流星のような天体を目撃しました。
その奇妙な天体は、流星より遅く、人工衛星の3倍ほどの速さで移動して、色は赤く、
明るさは、約1等級で、北西から南東方向に天頂付近を通過して約30秒近く見えていました。
その場に居た10人近くの人が、目撃しているので、夢、幻ではないことは確実です。
目撃して、すぐに一緒に居た人が、ツイッターに書き込みをしたのですが、フォローが、
無かったので、この奇妙な天体を目撃したのは、あの場にいた人達だけだったのかも
しれません。
で、調べたところ大気圏上層部をかすめて飛び去る微小天体は、人工衛星よりも速く、
流星よりも遅く飛ぶとの事なので、どうやら私達が目撃した天体は、大気圏上層部を
かすめて飛び去る微小天体だった可能性が、高いです。
大気圏上層部をかすめて飛び去るという天体は、極めて珍しく、目撃例も極めて少ない
とのこと。私も30年近く天文を趣味として、いろいろな天文現象を見ていますが、
あのような奇妙な天体を見たのは、初めてでした。
昨年12月24日の深夜に私達の他に、この奇妙な天体を目撃した人は、いるのでしょうか?
K-ASTECで、AGS-1X改造したEM-10で、また、問題発覚です。
AGS-1X改造後からオートガイドのキャリブレート動作で、赤緯側が、FSQ-106のオフアキで、
40秒以上動かさないとキャリブレートが、成功しなかったですが、元々、EM-10に使われている
ステッピングモーターの減速ギアが、バックラッシュが大きいので、これ位かなと思って
いたのですが、GP赤道儀でMTS-3SDI+と組み合わせて使っているモーターもバックラッシュが
大きいけれどもSky90+QSI540WSGのオフアキでもキャリブレート時間が、40秒ということは
ないので、この正月休み中にEM-10をMTS-3SDI+仕様に改造するのも兼ねて、AGS-1Xを調べた
ところ大問題が、発覚!!
赤緯側のドライバーICのモーター接続端子とモーターの接続が、間違っていました!!
具体的には、ステッピングモーターは、コイルにA→B→/A→/Bの順にドライブパルスを
送ることで回転するのですが、AGS-1Xの赤緯側は、A→/B→/A→Bとなるようにモーターに
接続されていました。この接続ですと、一見、正常に回転しているように見えるのですが
”3歩進んで、2歩下がる”のような動きをするので、正常には回転していません。
まして、マイクロステップの16分割なので、モーターの回転を見るだけでは分かりません。
幸い、モーターの接続端子のピンの位置を換えるだけで、正常な接続になるので、モーターの
接続を正常な接続に戻したので、近いうちに実際の星で、テストを行うつもりです。
EM-10の問題は、これで2件目です。1件目は、改造後に赤経のウォームギアの調整ミスで、
赤経のウォームギアが、ガタガタだったのと、今回のモーターの接続ミス。
今回の件で、K-ASTECの作業は、信用できなくなりました。
川野さんは、決して、悪い人ではないのですが、お一人で、多くの作業をされているので、
作業ミスが、起きやすいと思います。
小さくても会社である以上、少なくとも2、3人で、作業を相互に確認、チェックしながら
行わないと会社の信用にも係わると思うのですがね。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
去年は、10月以降忙しく、ブログの更新ができませんでしたが、撮影に行ったり
いろいろ作ったりしていたので、そのうちUPします。
昨年の最終遠征は、12月23日から25日まで岡山県の大芦高原温泉に行っていました。
23日は、豊中天文同好会の合宿で、大芦高原温泉のロッジを借りて、相生で、牡蠣を
買い込んで、牡蠣パーティでした。相生の牡蠣は、大きく、酒蒸しは、最高でした。
お天気は、夜半ごろから曇ってしまいましたが、午前2時半ごろから回復して、午前3時
ごろには快晴になり観望と撮影ができました。
観望は、時期的に夜半を過ぎると春の星座が、上がってくるので、系外をいろいろ見る
ことができました。
M101
露出時間:L 5分×3 RG 5分×3 B 5分×2
冷却温度:-20℃
フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター
望遠鏡:FSQ-106N
カメラ:QSI540 WSG
ガイドカメラ:SSAG
赤道儀 :EM-200Temma2
晴れてから会長のドブとTさんのドブで、観望を楽しんでいて、撮影開始が
遅くなり露出不足でした。
2日目は、昼間は温泉に入って、休憩室で、1日寝てました。
それで、2日目は、夕方からMさんご夫妻らも来られて、そちらと合流したのですが、
この日は、クリスマスイブだったせいか、私達以外は、何方も来られず撮影ポイントは
貸切状態でした。
2日目の空は、一時、透明度が落ちたり雲が通過したりしましたが、一晩ほぼ快晴で
観望と撮影を楽しむことができました。しかし、この日もクリスマス寒波のために
とても寒くて、Kiss X2+広角レンズでも撮影していたのですが、レンズが、バリバリに
凍り付いて、撮影できませんでした。
M81、M82
露出時間:L 10分×8 RGB 5分×5 Ha 10分×2
冷却温度:-20℃
フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター + Ha7nm
望遠鏡:FSQ-106N
カメラ:QSI540 WSG
ガイドカメラ:SSAG
赤道儀 :EM-200Temma2
M81、82の撮影後、カメラをQSI540からSXV-H9に換装して前日に続いてM101を
撮影しました。
M101の超新星は、12月24日でも14等台で、まだ、十分に写りました。また、
会長の38cmF4のドブでもなんとか眼視で確認することができました。
この超新星は、まだ当分の間、写りそうです。
M101の超新星
露出時間:L 10分×2 R 5分×4 GB 5分×2 Ha 10分×1
冷却温度:??
フィルター:Astronomik LRGB Type2Cフィルター + Ha13nm
望遠鏡:FSQ-106N
カメラ:SXV-H9 + Atik EFW
ガイドカメラ:OAG9+SSAG
赤道儀 :EM-200Temma2
人工天体が、横切っていますが、撮影枚数が少ないので、シグマクリップでコン
ポジットしても消えませんでした。
それにしてもICX285ALは、高精細で高感度なのと、Ha感度も高いので、Ha10分1枚でも
M101のHII領域がよく写ります。
これからの時期は、SXV-H9がメインになりそうです。
ということで、2011年最後の星見は、とても寒かったですが、とても楽しかったです。