バーナードループとM78の画像を画像処理し直しました。
前よりは、マシになったかな?
バーナードループとM78
撮影日:2014年11月23日
撮影地:高野辻ヘリポート
露出時間:L 12×10分 RGB 10×4分
望遠鏡:Sky90 F4.5
カメラ:QSI583 WSG
冷却温度:-15℃
ガイドカメラ:SSAG
フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター
ガイドカメラ:SSAG
赤道儀 :EM-10 MTS-3SDI+ 改造
画像処理をし直していると、やはり色要素のRGBの枚数をもう少し増やした方が、色が
良くなるみたいですね。
Lは、輝度成分なので、もう少し減らして10分6枚から10枚で、よさそうですが、
RGB各10分6枚は、欲しいところですね。しかし、総露出時間を考えると各露出時間は
L10分6枚、RGB各10分6枚のトータル4時間が、夜の時間を考えると限界でしょうね。
スポンサーサイト
22日に高野辻ヘリポートへ撮影に行って来ました。この日集まったメンバーは、YKさん、
Mさん、会長、Nさん、S本さん、TNさん、私の7名。
天気は、午前3時ごろに一時曇りましたが、快晴でした。
この日は、カメラレンズのテストをしていたので、メインの撮影は、12時を過ぎてからに
なりました。で、撮影した対象は、メインのSky90は、バーナードループとM78を撮影して、
メインの鏡筒の上にSIGMA150mmF2.8 APO MACRO DG + KissX2 SEO-SP3を載せて同じ
領域の広角を撮影しました。
バーナードループとM78
撮影日:2014年11月23日
撮影地:高野辻ヘリポート
露出時間:L 12×10分 RGB 4×10分
望遠鏡:Sky90 F4.5
カメラ:QSI583 WSG
冷却温度:-15℃
ガイドカメラ:SSAG
フィルター:Baader Planetarium LRGBフィルター
ガイドカメラ:SSAG
赤道儀 :EM-10 MTS-3SDI+ 改造
露出時間:12X6分 ISO 1600
カメラ:EOS KissX2 SEO-SP3
フィルター:IDAS/SEO HEUIB-II-FFフィルター
レンズ:SIGMA150mmF2.8 APO MACRO DG F3.5に絞る
赤道儀:EM-10 MTS-3SDI+ 改造
SIGMA150mmF2.8は、フィルターが、IRカットとHEUIB-II-FFの2枚になるのと、F3.5まで
絞っているので、露出不足です。本当は、3時間露出するつもりでしたが、撮影途中で
バッテリー切れで、2時間しか露出できませんでした。
この組み合わせでは、HEUIB-II-FFフィルターは入れないほうが、よいでしょうね。
撮影中は、会長の45cmドブソニアンとNさんの55cmドブソニアンで観望を楽しみました。
このクラスの口径になるとほとんどの散光星雲や惑星状星雲を見ることが、できるので
本当に面白いです。この日は、久ぶりに会長の45cmドブソニアンで、馬頭星雲のを見る
ことに挑戦しましたが、馬頭星雲の背景の赤い星雲の部分は、分かりましたが、”馬”
本体は、湿度が、少し高かったせいか、見ることができませんでした。
4年ぐらい前の12月初めに来た時は、Hβフィルターを使って馬頭星雲を見ることが、
できましたが、この日は、見えませんでした。それでも馬頭星雲の横の”燃える木”こと
NGC2024は、バッチリ見ることが、できました。
あと、季節的には、午前1時を過ぎると北斗七星やしし座が、上がって来るので、系外
銀河も見ることが、できるので、この日もM51、M106と周辺の伴銀河やマイナー系外銀河を
見ることが、できました。しかし、しし座の周辺は、黄道光で、明るく、おとめ座の
銀河群の系外銀河は、見てもとてもショボかったです。
高野辻ヘリポートへの遠征は、今年最後になると思いますが、楽しい撮影&観望でした。
よく天体写真で、冷却CCDと天体改造一眼デジカメ、どちらが良いかということが、よく言われますが、
日本の天体写真の撮影スタイルは、FSQ-106ED、85ED+レデューサーやε-180ED、130Dなどの
F値が、4より小さく明るい望遠鏡で、直焦点でも広角で、撮影するスタイルが、主流なので、
このような光学系を使うのであれば、一眼デジカメのここ最近の高感度化、高精細化と
ローノイズ化で、冷却CCDも天体改造一眼デジカメも同じになったように思われます。
ただ、F値が、6以上になると感度や階調幅で、冷却CCDが、圧倒的に有利になります。
また、デジタル天体写真では、天体改造一眼デジカメが、簡単で、冷却CCDが、難しいと
言われますが、これは、まったくの間違いで、天体改造一眼デジカメであってもハイ
クオリティな天体写真を撮影するためには冷却CCDと同じくらいの露出時間と手間が、必要です。
確かに天体改造一眼デジカメは、簡単にカーラー画像が、撮影でいきますが、簡単だからと
言って、ダークやフラットを省略できませんし、淡い対象や分子雲などを撮影するには、
かなりの長時間露出が必要になります。
冷却CCDでは、”それなり”ことしかしていない画像は、駄目なものしかできませんが、
天体改造一眼デジカメの難しいところは、”それなり”のことしかしていない画像でも”
それなりの天体写真”ができるところです。
天体改造一眼デジカメの天体写真で、”それなりの天体写真”を脱して、”ハイクオリティな
天体写真”に到達するには、天体改造一眼デジカメ特有の手間が、必要ということです。
天体改造一眼デジカメでもまず、第一は、しっかりとした元画像を撮影して、ダークや
フラットの処理をして画像処理を行う元画像を作ることです。
何事にも共通することですが、基礎をしっかりと作ることです。基礎が、しっかりと
できていないと、いくら頑張っても駄目ということです。
画像処理を行う元画像が、できてから先の天体写真の画像処理については、よっちゃんが、
そのテクニックを公開されているので、これが、大変参考になります。
いろいろと書きましたが、F値が、4より小さい明るい望遠鏡で、撮影するのであれば、
ハイクオリティな天体写真を撮影する手間は、冷却CCDも天体改造一眼デジカメも同じに
なったということと、天体改造一眼デジカメでの撮影でもハイクオリティな天体写真を
撮影するためには冷却CCDの撮影と同じくらいの露出時間と手間が、かかるということです。
ここ最近の円安で、冷却CCDを個人輸入を含めて購入が、難しくなっていますが、自分の
天体写真の撮影スタイルを決めれば、あとは、”戦術と腕”なのです。
前回は、PHD2による極軸調整を書きましたが、今回は、極軸調整のちょっとしたコツを
書きます。
PHD2による極軸調整では、はじめは、ずれが大きいので、グラフの傾きが、小さくなる
方向に大きく動かすことができますが、グラフの傾きが小さくなってくると、少し動かした
だけでもグラフの向きが、変わってしまします。
このような状態なると調整が、追い込めてきているので、ここからは、調整する方向を
一方方向に決めて、決めた方向だけに動かして調整すると最後の追い込みが、楽になります。
調整する方向については、方位角の調整は、水平方向なので、どちらの方向に動かしても
同じなので、よいのですが、高度調整は、上下方向なので、極軸調整の追い込みでは、
重力の方向逆らわずに下向きに動かして追い込んだ方が、調整しやすいです。
予め極軸望遠鏡で、極軸を合わせてからPHD2の極軸調整で、極軸を追い込む場合も同じ
です。
PHD2のドリフト法調整には、方位角調整と高度調整の画面に調整のメモを書き込める
方位角調整ノートと高度調整ノートがあるので、ここに自分なりの調整のメモを書いて
残しておくと次回からちょっと極軸調整が、楽になります。
あとは、2、3回PHD2による極軸調整で、極軸を合わせて、どれくらいの追い込みで、
どれくらいのガイド精度になるか、確かめてください。
オートガイドソフトのPHD2には、ドリフト法による極軸調整機能が、あります。この機能を
使うと北極星が見えない場所でも極軸を合わせることができます。また、赤道儀の極軸望遠鏡の
精度や偏心を観察することが、できます。
以下は、PHD2の表示を日本語化しているので、PHD2のキャプチャー画面の表示は、全て日本語に
なっています。
赤道儀の設置
ドリフト法では、赤道儀の水平と垂直の調整で、極軸を合わせるので、赤道儀を設置するときに
赤道儀の水平を出しておきます。
GP、GPD赤道儀では、極軸を合わせるときに赤道儀の水平を出しますが、タカハシの赤道儀では
赤道儀に付いている水準器で、水平を出して極軸を合わせますが、これでは、赤道儀の水平を
出せないので、写真のような水準器で、赤道儀の設置時に水平を合わせておきます。
PHD2の設定
PHD2によるドリフト法もオートガイドの設定と同じです。
ドリフト法で、極軸調整を行うのとオートガイドで、望遠鏡の焦点距離が、変わる場合は、
脳のアイコンをクリックして、ドリフト法で、使う望遠鏡の焦点距離に設定を変更します。
極軸調整の準備
PHD2による極軸調整も手順は、従来のドリフト法と同じなのです。
望遠鏡を子午線付近に向けて、オートガイドと同じ手順で、キャリブレーションを行います。
ガイドが、始まったらガイドを停止させます。
次にPHD2の画面左下のTrendlinesにチェックを入れます。
ドリフト法での極軸調整
ツール→ドリフト法極軸調整で、方位角調整の画面が、表示されます。
ドリフトのボタンを押すと、自動的に画面上の星を選択して、計測を始めて、方位角のずれが、
赤線で、表示されます。
方向角の調整は、この赤線のグラフが、水平になるように赤道儀の水平方向の調整ネジを動かして
行います。
調整を行う時は、調整のボタンを押して、ドリフトを止めて、赤道儀の水平方向の調整を行います。
ドリフトと調整を繰り返して、方位角の調整を行います。
調整を繰る返していると子午線付近から離れて行くので、時々望遠鏡の向きを子午線付近に
戻します。
調整が、合ってくると、調整の動きが、シビアになります。調整の追い込みは、ドリフトを長く
行いグラフの動きを見ながら行います。
方位角の調整が、追い込めれば下のように赤線のグラフが、水平になります。
この状態になれば方位角の調整は、完了です。
次に望遠鏡を東または西に動かして、高さ約30度位の位置に向けます。このとき赤緯方向には
絶対に動かしては、いけません。
ドリフト法調整の画面で、「>高度」のボタンを押すと高度調整の画面が、表示されます。
高度の調整も方位角の調整と同じ手順で、ドリフトボタンを押して、計測したグラフを観察して
調整ボタンを押して、赤道儀の垂直方向の調整ネジを動かして行います。
高度の調整も調整が、追い込めれば下のように赤線のグラフが、水平になります。
この状態になれば高度の調整も完了です。
以上で、赤道儀を設置した場所での極軸調整は、完了です。
PHD2による極軸合わせでは、極軸を調整する望遠鏡の焦点距離が長くなると、最後の追い込みが
シビアになり結構大変になります。300~400mm程度の望遠鏡で、極軸調整を行っても十分な極軸の
精度が、あります。
赤道儀の極軸望遠鏡の精度や偏心をこのPHD2の極軸調整のグラフを見ることで、観察することが
できます。
ソフトで、極軸合わせや、極軸のセッティング精度、極軸望遠鏡の偏心を計ることが、できるので
使ってみて下さい。