Polenavigatorにバグがあり皆さん、バグ修正された最新版をテストされていると思います。
Polenavigatorをはじめ極軸導入ソフトをテストする場合、多くの方は、極軸導入
ソフトで、極軸を合わせた後にPHD2などで、オートガイドをされてテストされて
いますが、これは、極軸導入ソフトのテストにはなりません。
というのは、オートガイドでは、ガイド環境が、使われている人に寄って変わり
ますし、最近は、焦点距離が、100㎜程度のCマウントレンズを使われていますが
これでは、正確にガイドの揺れを観察することが、できないからです。
また、オートガイドのガイドのやり方を多くの方が、間違っているからです。
オートガイドソフトで、ガイドする場合、修正時間=露出時間になります。
多くの方は、修正時間が、1、2秒で、オートガイドされていますが、これでは
ハンチングするだで、正確にガイドできません。オートガイドについては、以下の
サイトを参考にしてください。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kztanaka/040724.html
http://blogs.yahoo.co.jp/ngc4826/27787131.html
極軸導入ソフトをテストする場合、極軸が、正確に合っているか確認する方法は、
赤道儀に付いている極軸望遠鏡で、極軸を確認するか、ドリフト法で、確認する
ことです。
複数の極軸導入ソフトを使って検証する場合は、極軸導入ソフトで、使うカメラの
取り付けは、すべて同じ位置で、行う必要が、あります。
これもすべてのソフトが、同一条件下で、テストを行わないと評価できないからです。
幸いPolenavigatorとSharpCapは、QHYのPoleMasterに対応しているので、PoleMasterを
使う場合は、ソフトを切り替えるだけで、カメラは、共通で、使えます。
この年末年始は新月期で、撮影に行かれて極軸導入ソフトをテストされる方もおられると
思います。極軸導入ソフトをテストされるときは、テスト環境を合わせてテスト行って
評価してください。
スポンサーサイト
SharpCapのPolarAlignment機能は、赤道儀を90°回転させるだけで極軸を合わせる
ことができますし、極軸のズレが、リアルタイムに表示されます。
また、一度PolarAlignmentを行うと極軸のリアルタイム解析状態が、継続するので、
極軸の追い込みも簡単にできます。
極軸合わせでは、PoleMasterやPolenavigatorのように複雑な操作や複数回の赤道儀の
回転操作が、ないので、操作が、楽です。
カメラの選択と露出、ゲインの調整
ツールバーのCamerasをクリックして使用するカメラを選択すると撮影が、始まります。
露出は、画面右側のCamera Controlsで、ゲインの調整は、Image Controlsで行います。
PolarAlignment機能で、極軸を合わせる場合は、北極星周辺の星が、10個以上映るように
露出とゲインを調整します。
極軸を合わせる手順
ツールバーのToolsで、Polar Alignを選択すると北極星付近の撮影が、始まります。
Nextを押すと画角のサークルが表示され、北極星がマークされます。
ここで、小さな黄色い四角で、囲われた星が、極軸の導入解析に使われる星になります。
次にNextを押して、赤道儀を90度以上回転させると自動的に星の位置が、解析されます。
このとき、90度以上動かすとNextボタンの色が、緑に変わります。
さらにNextを押すと北極星を導入する位置が、表示されます。
これで、赤道儀の水平、垂直を調整して北極星の導入位置に北極星を導入します。
このときツールバーのZoomで、画面をズームすると導入しやすくなります。
また、画面下のPolar Align Errorに極軸のズレが角度の単位で、リアルタイムに表示
されるので、これが、0に近づくように調整します。
以上で、極軸合わせの操作は、完了ですが、この状態で、極軸を解析する状態が、続いて
いるので、赤道儀を回転させると自動的に極軸の位置を解析して北極星の導入位置を示すので
極軸を追い込むのも簡単にできます。
極軸の導入精度は、EM-10と極軸合わせ支援アプリPolarisScopeを使って確認しましたが、
かなり精度よく極軸を合わせることができます。
QHYのカメラではPoleMasterのカメラも使えて、PoleMasterやPolenavigatorよりも操作が、
簡単で、精度も良いので、おすすめだと思います。
これまでのPolenavigatorのバグを修正されたバージョンが、公開されたのでテストしてみました。
テストに使用した機材とソフト
カメラ:ASI120MM
レンズ:35㎜F1.7
赤道儀:EM-10
カメラの取り付け位置:極望の穴に取り付け
テストしたソフト:Polenavigator Ver074
検証にしようしたソフト:SharpCapのPolarAlignment機能
極軸合わせ支援アプリPolarisScope
検証に使用したソフトについて
検証にしようしたソフトについて、極軸合わせ支援アプリPolarisScopeは、これまでEM-10で撮影
するときに極軸を合わせるのに使用してきたソフトで、実績が、あることとを確認しています。
SharpCapのPolarAlignment機能については、極軸合わせのテストで、PolarisScopeと同じ結果を
得られているので、正確に極軸を合わせることができると判断します。
検証方法
Polenavigator Ver074で、極軸を合わせてから極軸合わせ支援アプリPolarisScopeが、示す位置に
北極星があるか極望で、目視で確認するのとSharpCapのPolarAlignment機能で、極軸を合わせて
どれだけの誤差があるか確認を行いました。
極軸の導入検証
Polenavigatorで、極軸を合わせた画像が、以下です。
次に、SharpCapのPolarAlignment機能で、極軸を合わせると以下の画像のようなズレが、あり
Polar Align Errorは、このテストで、5秒22分のズレが、ありました。
この位置を極望で、目視で、確認するとPolarisScopeが示す北極星の位置から大体以下のような
位置に北極星が、導入されていました。
SharpCapのPolarAlignment機能で、極軸を合わせてからPolenavigatorで、極軸を合わせた画像が、
以下です。
やはりズレが、大きいように思われます。
検証結果
Polenavigator Ver074でもまだ、バグが、あるようで、十分な極軸の導入精度は無いようです。
このことを開発者の方に報告したところ導入位置のズレを確認されたとのことで、現在、バグ
修正中とのこです。
開発者の方の大変なご苦労は、私もハードとソフトの開発をしている者として十分理解できますが、
これまでのPolenavigatorの極軸導入の検証で、バージョンを重ねてもバグが、解消されず、
十分な導入精度が得られないので、今後は、SharpCapのPolarAlignment機能が、正確で、扱い
やすいので、こちらを極軸合わせに使うことになると思います。
改めてPoleNavigatorでの極軸合わせのテストしてみましたが、やはり結果は、同じでした。
まず、前回のPoleNavigatorのテストで、PoleNavigatorで極軸を合わせると極望で、合わせた時よりも
大きく北極星の位置が、ずれることを書きましたが、改めてテストをしたところ前回のテストでは
赤道儀の水平が、十分に出ていなかったために極軸が大きくズレていたことが、わかりました。
今回のテストでは、赤道儀の水平をきちんと出してからテストを行いましたが、結果は、前回の
テストほどではありませんでしたが、極望で、極軸を合わせた時よりも極軸は、ズレていました。
今回は、Ver032a、Ver055、Ver072と違うソフトでも検証するためにSharpCapのPolarAlignment機能も
使ってみました。極軸の検証方法は、まず、極望で、極軸を合わせておいて、各ソフトで、極軸を
合わせる操作をして、北極星の位置の違いを確認しました。
北極星の位置のズレの大きさは、以下のような結果になりました。
SharpCap<Ver032a<Ver055<Ver072
SharpCapの北極星の位置のズレは、恐らくテストと行った場所でのほぼ正確な極軸の位置だと思われました。
PoleNavigatorについては、バージョンが、新しくなるにつれて北極星の位置のズレが大きくなるので、
何らかのソフトのバグであるように思われます。
Ver072の北極星の位置のズレでは、オートガイドでも大きく振れるくらいずれていたので、これでは
使えないです。良いソフトなので、非常に残念です。
今回のPoleNavigatorのテストで気が付いたことですが、PoleNavigatorで極軸を合わせるためには、以下の
2点に注意が、必要だと感じました。
1、赤道儀の水平をきちんと出す。
2、カメラの画像の上下を合わせる。
1は、タカハシの赤道儀を使っていると極軸を合わせるときは赤道儀の水平は関係なく、赤道儀に付いている
水準器で、赤経の水平を出して合わせていますが、極軸合わせのソフトを使う場合は、赤道儀の水平をきちんと
出す必要が、あります。
考えてみれば、赤道儀を使う場合、これは基本中の基本ですよね。
2については、極軸合わせのソフトでは、北極星と周辺の星の回転を検出して、極軸を割り出しているので
カメラの画像の上下は、関係ないように思われますが、ソフトの関係でしょうか、カメラの画像の上下を
合わせておこないと正確に極軸を割り出せないようです。
あと、SharpCapのPolarAlignment機能については、今回初めて使いましたが、操作が非常に簡単で、正確に
極軸を合わせることができます。
SharpCapに対応したカメラを持っていればこちらの方が、よいかもしれません。
使い方は、改めて書きます。
これまで3回の遠征で、Polenavigatorを極軸を合わせるの使ってみましたが、1回しか正確に極軸を
合わせることが、できていません。
恐らく正確に極軸を合わせることが、できたのは、偶然だったと思われます。
前回の遠征では、Polenavigatorで、極軸を合わせて、オートガイドさせると、ガイドの修正が、非常に
大きく安定しないので、極軸を極望で、確認すると北極星の位置が、大きくずれておりこれを極望で
合わせなおすと正確にガイドをはじめました。
ガイドは、QSIのカメラを使っているので、オフアキシスなので、極軸が、合っていないとガイドが、
大きく乱れるので、極軸のズレは、ガイドのグラフを見ていればすぐに分かります。
極軸合わせの実験をするためにPolemasterと同じように極軸を合わせられるようにカメラを極望の穴に
取り付けられる冶具を作って、金曜の夜にEM-10で、テスト行いました。
EM-10での極軸合わせは、PolarisScopeというAndroidアプリを使って北極星の位置を確認して極軸を
合わせています。これで、精度よくガイドできていたので、この方法は、正しいと判断できます。
極軸合わせの実験は、まず、PolarisScopeを使ってEM-10の極軸を合わせてからPolenavigatorで、
極軸を合わせるという方法で、行いました。
PolarisScopeで、示された位置で、極軸を合わせてからPolenavigatorで、極軸を合わせると本来ならば
北極星の位置は、ほぼ同じ位置にくるはずですが、テストを行った時間で、下の画像の位置に北極星が、
きます。Ver.055とVer.072で、テストを行いました、結果は、同じでした。
カメラを極望の穴に取り付けてもオフセットさせても同じような位置に北極星を導入しました。
また、極軸合わせる動作も東→西→ホームポジション、西→東→ホームポジションの順に導入させても、
レンズを25㎜と35㎜で、テストしましたが、同じような位置に北極星を導入しました。
この他にカメラの上下方向やカメラフリップや大気補正の設定を変更してテストを行いましたが、結果は
どれも同じでした。
Polenavigatorは、極軸を合わせるために緯度経度を入力しますが、星の位置の解析を行うPlateSolve2
にも緯度経度のデータを入力する箇所が、ありますが、ここにスマホのGPSで、測定したデータを入力
しても結果は、同じでした。
ここまでの遠征とテストでの極軸あわせの結果からPolenavigatorは、正確に極軸を合わせることができ
ないのではと考えます。
仲間内で、Polenavigatorを使って極軸を合わせている人に聞いたところPolenavigatorで、極軸を
合わせると極望で、極軸を合わせたときよりもガイドが、荒れるということを聞きました。
Polenavigatorで、極軸を合わせてガイドできているのは、ガイド鏡の焦点距離が、100㎜程度と短いので
正確に極軸が、合っているように見えているだけなのではないでしょうか?
この辺りを十分に検証する必要が、あるように思われます。