10Micronの赤道儀を見て思ったこと。

先日、同じサークルの方が、10MicronのGM1000 HPSを使われているので、見せてもらいました。
10Micronの赤道儀は、このブログでも書いていますが、実物を見るのは、初めてでしたが、
結論から言えば、赤道儀に50万円以上のお金を出すのであればもう国内メーカーの赤道儀は、
買う価値は、ないと思いました。
タカハシのEM-200もEM-400も駆動制御系は、EM-11と同じで、自重量とデザイン、搭載重量が、
異なるだけで、あの価格ではGM1000 HPSの機能を見れば、EM-11以外は、買う価値は無いと思います。
これはビクセンのAXDも同様。


10MicronのGM1000 HPSは、高精度のエンコーダーで、赤経と赤緯の回転を計測制御しているので、
3点のスターアライメントの極軸導入で、焦点距離1500㎜のノータッチガイドが、できるとのこと
4点以上のアライメントを行えば2500㎜を10分ノータッチガイドできるとのこでした。
この日は、FSQ-85ED+レデューサー仕様で、焦点距離が、327㎜だったので、もちろんノータッチ
ガイドで撮影をされていました。

また、GM1000 HPSは、基本的にリモート環境で、使用することが、前提で作られているので、赤道儀の
操作機能は、すべて通信で、PC上から行えるようにソフトが、作られていて、望遠鏡の組み立てが、
終われば望遠鏡に近づく必要が、無いというのは、日本のメーカーには無い発想です。
10Micronの赤道儀は、NHK BSのコズミックフロント NEXTでもヨーロッパの天文台や観測機関の映像にも
時々映っている赤道儀で、研究用途でも天体観測に使用される赤道儀ですが、個人ユーザー向けでも
世界的なレベルは、高精度の計測制御とネットワーク化が、進んでいて機械的な精度云々の次元では、
ないのが、現状です。

同じサークルの機械工作の専門家の方に聞くと、今のコンピューター制御の工作機械を使えば1/1000の
精度は、当たり前に作れる精度なので、最近の工作機械を使えば精度のよい赤道儀は、簡単に作れる
とのことです。
また、赤道儀を制御するマイコンについてもRaspberry Piのようにわずか数千円で、OSを動かせる
高機能なマイコンが、安価にあり、これに繋がるセンサーも高精度で、安価な物が、沢山あるので、
これらを上手く活用すればハードとしての赤道儀の価格は、低くります。
マイコンが、高性能になれば後は、これを動かすソフトの良し悪しが、性能を左右するので、赤道儀も、
もはや工作精度などよりも赤道儀を制御、操作するソフトウェアの良し悪しとネットワーク化が、大きく
物を言う時代になったと実感します。

日本の国内メーカーは、今でも機械的な精度が、どうとかや自動導入を含めて全て自社のコントローラーで、
できることを強調さてていますが、10Micronの赤道儀を見ると全て意味が、無いと感じました。
自動導入に関しては、赤道儀が、Bluetoothに対応していれば今では、スマホやタブレットからでもできます
からね。

最近では、中国メーカーの技術力が、上がってきて、10Micronの赤道儀のような計測制御とネットワーク化
された赤道儀を低価格で、出してくる気配もありますし、スモールPCを望遠鏡に付けてWifiとBluetoothで
スマホやタブレットから自動導入や撮影の制御のできる物が、海外では販売されています。
赤道儀は、すでにハードとしては、機械としてもシステムとしても行き着くところまで来ているので
これからは、赤道儀の性能と価値は、ソフトよ良し悪しで決まる時代になったと思います。

これでいうと、国内メーカーは、技術的にはすでに”周回遅れ”と言ってももよい状況だと思います。
国内メーカーも天体望遠鏡は、すでにハード的な性能よりもコンピューターのソフトの良し悪しで
決まるということを認識するべきでしょうね。
それでも長くても4、5年で、中国メーカーが、国内メーカーを追い越すでしょう。
これは、QHYやZWOの天文用途のデジタルカメラを見れば分かると思います。

個人的には、国内メーカーの製品で、買う価値のあるは、赤道儀は、タカハシのEM-11くらいで、
望遠鏡は、同じタカハシのFSQ-85ED、ε-130D、ε-180EDくらいしかないと思っています。

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[ 2017/06/12 18:04 ] 機材 | TB(0) | CM(4)