前回は、タカハシの不誠実な対応を書きましたが、今のタカハシやビクセンは、ユーザーから
見ておかしいです。
ビクセンは、先日AXJ赤道儀に後付けするエンコーダーを発表しましたが、価格が、18万円と
驚愕の価格で、こんな高価なエンコーダーを誰が、買うのかと思いました。
AXJ赤道儀とエンコーダーの組み合わせで、90万円を超える価格になる。しかし、ビクセンの
赤道儀は、価格に対する性能が、世界レベルでは、ありません。
海外で、赤道儀に100万円近く出すと、天文台や研究機関で、実際の観測にも使える赤道儀が
買えます。一例として、
Astro-Physics Mach1GTO が、約$5500 日本円で、約60万円
Software Bisque Paramount MyT が、約$6000 日本円で、約70万円
10 Micron GM1000 HPS が、約$9500 日本円で、約100万円
Astro-Physics、Software Bisque、10 Micronの赤道儀は、NHK BSのコズミックフロントNEXT
の番組のなかでも時々その姿が、映っています。
このような日本の状況は、ひとえに日本人が、英語で、コミュニケーションできないことに
あるのです。日本人は、フランス人は、フランス語だけ、ドイツ人はドイツ語だけしか話せない
と思われている人が、多いように思われますが、ヨーロッパでは、母国語以外に2か国語、3か国語
話せるのは、当たり前ですし、アジアでも中国、台湾、韓国、インドネシアなどの人でも、一定以上の
教育を受けた人は、英語が、話せます。
中華メーカーが短期間に大きくシェアを広げられたのも彼らが、英語で、コミュニケーション
できて、英語で、技術情報を得らえれるからです。
海外には、タカハシやビクセンよりもはるかに高機能や高性能の赤道儀や望遠鏡が日本の国内
よりも安い価格で、販売されていますが、英語ができないためにその恩恵を受けられず
日本国内の無駄に高価な機材を買わされていることに日本の天文ユーザーは、気づくことです。
次に日本の天文メーカーが、没落した原因について考えたいと思います。
日本の天文メーカーが、没落した原因は、バブルの崩壊が、ありますが、これは、日本の電子機器
開発の世界にも言えることですが、日本では、バブルが崩壊した後の経済が、低迷した時に電子
デバイスの進化が、急速に進んだためです。
有名な話として、スマートフォンが、登場した当時、携帯各社や携帯を開発する技術者は、PCの
ようなOSを搭載して、様々なアプリが、携帯端末上で、操作できる”携帯電話”は、日本人には
向かないと考えて見向きもせず、”ガラケー”の開発を続けましたが、iPhoneとAndroid OSを搭載
したスマートフォンの日本上陸で、一瞬にして”ガラケー”は、市場から駆逐され、日本は、
スマホの開発で、世界から置いて行かれたたことは、記憶に新しいことです。
マイコンでは、90年代以降にAVRやPICといった1チップの8ビットマイコンが、急速に高機能化して
低価格になりましたが、日本では、新しい技術の導入が、できない状況で、過去の遺産もありZ80や
H8マイコンが、主流でした。
AVRやPICといった1チップは、開発環境が、フリーだったり多くの技術情報が、インターネットで
公開されたことで、急速に普及しました。この時代に日本の天文メーカーは、電子機器の開発が
無くなってしまい、世界の天文メーカーから、自動導入モータードライブの開発など天文機器の
電子化に取り残されました。今では、マイコンや各種センサーが、高機能、高性能になり、ハード的
には、誰が作っても同じような物を作れます。これを高機能化出るかは、それに組み込まれるソフト
しだいにになっています。
また、最近では、スマホやタブレットが、bluetoothで、外部機器と通信でき、天文機器では、
SkySafariを使えば、スマホやタブレットから赤道儀を自動導入できますし、Raspberry Piを
使えばGHzCPU搭載の小型PCをわずか電源電圧5Vで、使える時代に、低機能で、高価なオールイン
ワンの赤道儀のコントローラーを自画自賛して、売るのは、考えものです。
関西では、星をもとめてというイベントが、ありここにタカハシとビクセンも来ますが、ここで、
スマホやタブレットで、赤道儀をコントロールできて、Raspberry Piを使えば安く、高機能な
機器を作れることを話しても、自社の機器を自画自賛するだけで、ユーザーの話に耳を傾ける
姿勢が、ないのは、もう終わりですよ。
長々と書きましたが、日本の天文ユーザーは、海外の機材を上手く入手しないと損をするだけ
ということを気付くべきですね。
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