遠征のときの電源を変更

天体撮影では、冷却CCDや冷却CMOS、それを制御するノートPCに
自動導入の赤道儀を動かすために大容量のバッテリーが、必要に
なりますが、これが、重くて、大きい、私は、ACDelcoの12V 80Ahの
ディープサイクルバッテリーを使っていましたが、重量が、約18Kgで、
持って行く機材の中で、一番重いものでした。
これを去年11月の遠征からバッテリーをACDelcoのディープサイクル
バッテリーからポータブルのリチウムイオン電池に変更しました。
IMG_0633[1]
写真は、私が購入したポータブルリチウムイオン電池です。
出力は、AC100V300W DC24V5A DC12V8A USB出力5V3.1A(Max)、
USB TypeC出力12V1.5A 9V2A 5V3Aを持っています。重さは、3.2Kgです。
価格は、キャッシュレス決済5%引きや、クーポンなどの割引を入れて
約29000円でした。
天体撮影に使うポータブルリチウムイオン電池は、AC100Vの出力が、
あるもので、価格の相場は、AC100V出力で、100W当たり約1万円くらいです。

最近のポータブルのリチウムイオン電池は、小さくても大容量の物が、
多く出ており、スマホ用の大容量ポータブルバッテリーの普及と価格の
低下で、価格も2、3年前に比べると格段に安くなっています。
また、重さが、同じクラスのディープサイクルバッテリーと比べると
約1/3以下になり、片手で持つことのできる重さになるのと小さくコン
パクトになるので、持ち運びも楽になります。

IMG_0630[1]
写真は、ディープサイクルバッテリーとポータブルリチウムイオン電池を
並べたところです。両方とも同じ程度のバッテリーですが、ポータブ
ルリチウムイオン電池は、大きさ、重量共に1/3以下です。
[訂正と追加」
リチウムイオン電池の基準電圧は、セル電圧の3.7Vで、ディープ
サイクルバッテリーの基準電圧とは異なるので、電池の容量は、
ポータブルリチウムイオン電池の方が、小さくなります。


ポータブルリチウムイオン電池のもう1つのメリットは、AC100V出力を
持っていることです。ディープサイクルバッテリーは、出力は、DC12V
だけで、AC100Vを得るためには、別途DC-ACインバータが、必要になり
ますが、ポータブルリチウムイオン電池にこれが、内蔵されていて、かつ
AC100Vは、正弦波出力なので、AC電源の質は、DC-ACインバータよりも
よいのです。

以下、選び方と使い方を説明します。
選び方ですが、使う機器構成が、まちまちだと思いますが、私の場合、
冷却CCD、ガイドカメラ、ノートPC、赤道儀、USBハブなどに電源供給
していて、電源容量は、トータルで、AC100Vで、約100Wになります。
なので、AC100Vの容量は、300Wあれば十分な容量を確保できます。
ポータブルリチウムイオン電池を選ぶときに目安になるのが、電池容量
です。これが、大きいものほど同じ出力でも長時間使えることになります。
ですので、電池容量が大きなものを選ぶことをお勧めします。
私の使っているポータブルリチウムイオン電池の電池容量は、110000mAh
になります。分かりにくい数値ですが、この値に1000を掛けるとAhに
なります。この場合、110Ahになります。
私のシステムの場合、使っているポータブルリチウムイオン電池で、
使う気温にも寄りますが、AC100V 100Wで、約7時間は、十分使えます。
これから考えるとAC100V出力で、300Wか400Wクラスならば一晩は、十分に
使えます。

使い方、これが、一番重要と思います。
ポータブルリチウムイオン電池は、AC100V電源と複数のDC電源を持って
いますが、天体撮影のような長時間使う場合は、使う電源をAC100Vか
DC電源かどちらか1つで、使わないと使える時間が、かなり短くなります。
私は、昨年11月の遠征では、AC100Vで、ノートPCと冷却CCDをDC12Vで
赤道儀に電源供給していましたが、5時間程度で、バッテリー残量0に
なり撮影できなくなりました。これ以降、電源は、AC100Vだけで使って
いますが、今のところ問題は、ありません。
この辺りは、1つの電池で、複数の出力を作るのは、内部の消費電力も
大きくなるので、バッテリーの持ちが、悪くなるようです。

バッテリーの充電は、専用のACアダプターの他にDC12Vからでも充電できる
ものが、多いので、車の移動中でもシガーソケットから充電できますし、
ものによっては、別売りのソーラーパネルから充電できるものもあつたり
するので、連泊遠征には、使えると思います。

最後にバッテリーの廃棄ですが、ディープサイクルバッテリーなどの
鉛電池は、最近は、簡単に廃棄できなくなっていますが、リチウムイオン
電池やニッケル水素電池などの充電池は、リサイクル対象品で、大きな
家電量販店などで、無料で、回収してくれるので、最後の廃棄も楽です。
私もこれまでにノートPCのバッテリーやスマホのバッテリーを回収して
もらっています。

ポータブルリチウムイオン電池は、軽量、コンパクトですし、購入して、
使って、廃棄までトータルで、考えるとディープサイクルバッテリーなどの
鉛電池よりも使い勝手が、よいので、遠征時の電源をポータブルリチウム
イオン電池に乗り換えるは、お勧めです。
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[ 2020/01/19 14:32 ] 機材 | TB(-) | CM(2)

今年最初の遠征

1月3日に年末に続いて再び大芦高原に遠征してきました。
せぱたんから貰ったてるてる坊主のご利益か、11月から遠征の天気は、
3連勝!! てるてる坊主様々です。

天気は、年末に続いて、朝まで快晴でしたが、年末と違って空気が、
乾燥していて、夜露の心配は、なかったのですが、体感温度は、年末
より寒かったと思います。

この日撮影したのは、おおぐま座の系外銀河M109です。
M109は、典型的な棒渦巻銀河で、渦を巻いている腕もよくわかる系外
銀河です。私たちのいる天の川銀河も棒渦巻銀河で、その形は、M109の
ような形をしていると考えられています。

撮影日:2020年1月4日
露出時間 L 5分X11 RGB 5分X4
望遠鏡 FSQ-106フローライト鏡筒 Canon EXTENDER EF 1.4x III
カメラ QSI628WS
冷却温度 -15℃
フィルター Astronomik Deep-Sky RGBフィルター Astronomik L-2フィルター
ガイドカメラ ZWO ASI120MM-S
ガイド鏡 ZWO 30F4 Mini Guider Scope
赤道儀 EM-11 Temma2Jr
撮影地 岡山県大芦高原

年末に同じ組み合わせで撮影した時は、安定してガイドしていたのが、
約1週間後のこの日は、ガイドが、不安定で、結局は、撮影枚数の半分が、
画像処理に使えませんでした。
次回の遠征までに原因を見つけて、対策しなければなりませんが、
ASI120MM-Sは、オートガイドには、向いていないのか、以前から
オートガイドカメラで使うとあまりよくないですね。

それと、1月4日は、しぶんぎ座流星群が、極大でしたが、極大の時間が
日本時間の4日午後5時だったのとしぶんぎ座流星群のピークは、短時間
なので、3日の明け方でもしぶんぎ座流星群と思われる流星は、私は
見ることは、できませんでした。
[ 2020/01/13 13:31 ] 天体写真 | TB(-) | CM(0)

今年最初の書き込み NGC3718

2020年の初書き込みです。
この年末年始は、月周りが、よいのと休みが、長いので、遠征には
もってこいということで、12月28日に大芦高原に遠征してきました。
この日は、豊中天文同好会の合宿で、大芦高原温泉雲海のロッジを
借りての撮影だったので、撮影中は、ロッジのコタツで、だべって
たりして、まったりでした。
お天気は、一晩、ほぼ快晴で、この時期としては、珍しくシーイングが
よくて、シリウスが、瞬いていませんでした。

撮影したのは、おおぐま座の系外銀河NGC3718です。
この銀河は、画面左の小さな銀河が、画面右の大きな銀河のそばを
かすめたために大きな銀河が、大きくかき乱されて、2本腕が伸びた
ような形に変形して、星間物質も周りに散らばっていることが、
よく分かりますし、暗黒帯も腕の方向に曲がっていることが分かる
銀河です。また、小さな銀河も変形していることが、わかります。

撮影日:2019年12月30日
露出時間 L 5分X17 RGB 5分X6
望遠鏡 FSQ-106フローライト鏡筒 Canon EXTENDER EF 1.4x III
カメラ QSI628WS
フィルター Astronomik Deep-Sky RGBフィルター Astronomik L-2フィルター
ガイドカメラ ZWO ASI120MM-S
ガイド鏡 ZWO 30F4 Mini Guider Scope
赤道儀 EM-11 Temma2Jr
撮影地 岡山県大芦高原

[ 2020/01/03 13:19 ] 天体写真 | TB(-) | CM(0)

新年あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。

昨年は、週末の天気の周りが悪く、円背に行く機会が、少ない
年でした。これも地球温暖化の影響だと思われますが、今年は、
撮影に出かける機会が、増えることを期待します。

また、いろいろと電子関係の物を作ったり、試してみたりして
いるので、こちらもおいおいアップするので、今年もよろしく
お願い致します。
[ 2020/01/01 11:37 ] その他 | TB(-) | CM(8)