新しく作ったラズパイ4の環境は、OSをラズパイ標準のOSである
Raspbianで作りました。
Raspbianを使うメリットは、VNCとSSHが標準にインストールされて
いて、ラズパイのGPIOやVNC、SSHの設定が、簡単にできることです。
ただ、デメリットもあって、IPアドレスの固定とクセスポイント化が、
UbuntuMateのように簡単にできないところところです。
今回作った環境では、自宅と遠征で使うWifiルーターのIPアドレスを
固定しましたが、アクセスポイント化は、面倒だったので、していません。
ネットワークに接続して機器を制御する場合、Wifiルーターを使う方が、
アクセス制御しやすいですからね。
インストールしたソフトは、KStars、PHD2、Ciel、CCDcielとGPSを
接続すためにGPSDの5本です。
あまり沢山のソフトを入れても使わないですかね。
OSの環境は、日本語モードにしてあるので、KStarsもかなりのところ
日本語化されています。

Raspberrypi INDI Web Managerも入れてあるので、CielとCCDcielも
連携して使うこともできます。

PHD2は、日本語化されているので、これは、
Linux版でも完全に日本語化されています。

Cielは、日本語化のファイルが、公開されてるので、これを組み
込んで日本語化しました。
Ciel、PHD2共に操作はWindows版と同じですが、機器選択が、Linux版
ではASCOMが使えないので、INDIドライバーなのが、違うところですね。

あと、ラズパイのハード関係で、システムの時刻データの校正については、
ラズパイは、OSが載っていると言っても、基本マイコンボード
なので、インターネットの繋がる環境では、起動時にNTPサーバー
から時刻データを取得して、システムの時刻を公正しますが、
インターネットに繋がらない環境では、前回シャットダウンした
時刻を記憶していて、この時刻をシステムの時刻して設定するので
遠征での撮影では、システムの日付と時刻が、一致しません。
そこで、遠征先のインターネットの無い環境でも正確な時刻を
ラズパイに持たせるためにRTCユニットを組み込みました。
![IMG_0690[1]](https://blog-imgs-141.fc2.com/o/r/c/orca21/20200524154714b8a.jpg)
ラズパイは、GPIOにI2Cの端子が、あるので、これを使えば簡単に
RTCユニットを組み込むことが、できて、起動時にインターネットに
繋がっているときは、NTPサーバーからシステムとRTCの時刻校正を
行って、インターネットに繋がっていない時は、RTCからシステムの
時刻校正を行うように起動スクリプトを組みました。
これで、システムの時刻は、RTCのバックアップ電池が、つきるまで
くるうことはありません。
ここまで撮影と望遠鏡の制御環境を作っておけば、ラズパイを
望遠鏡の上に乗せて、USBで、各機器をつなぐだけで、遠隔操作
望遠鏡の完成です。
KStarsは、冷却CCDや冷却CMOSの他にキャノンとニコンの一眼デジ
カメも制御できますし、ステラショット同じように自動導入補正も
使えるので、ラズパイの撮影システムを作れば、撮影に余計な
ソフトの出費は、必要ないと思いますね。
ただ、一番の問題は、OSが、Linuxで、一般の人には、非常に敷居が
高いことでしょうね。
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[ 2020/05/24 17:28 ]
機材 |
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4月、5月は、天の川の濃い所を撮影できる時期ですが、天気の
具合や霞などの影響で、なかなか南の低空まで撮影できる機会は、
数年に1回くらいしかありません。
下の写真は、4月28日の夜に撮影した天の川銀河の中心方向の
写真です。
彼岸花星雲より下は、霞みの影響が、大きくなってくるので、
画面の下は、上と比べると画像が、悪いです。
それでも”エビ星雲”ことIC4628は、明るく写っています。

天の川銀河の中心方向
撮影日:2020年4月29日
露出時間 3分×37
レンズ:SIGMA Art35mmF1.4 DG F3.5 に絞る
カメラ:EOS KissX6i SEO-SP4C + HEUIB-II FF ISO 1600
赤道儀 :スカイメモS
コロナの影響で、大変ですが、4月25日と28日に撮影に行きました。
25日は、夜半近くから曇って、車の中で、寝ていて、午前3時ごろに
目が覚めて、外に出ると快晴ではないですか!しかし、時すでに
遅しですぐに薄明で、万事休す。
28日の夜は、月齢が、大きくなっていましたが、天気が良かった
ので、再度撮影に行き、今度は、一晩、快晴でした。
この時期は、さそり座の南の低空を見ることが、できますし、この
領域は、4月、5月しか撮影する機会が、ないのと南の低空の
透明度の良い時にしか撮影できないので、撮影対象は、NGC6334
出目金星雲にしました。
当日は、天気は、良かったのですが、やはり、これくらい低空に
なると霞みの影響で、撮影できる時間が、短かったので、色が、
あまり良くないです。このくらい低空になると波長の長い赤Rは、
良く写るのですが、波長の短い青は、大気層を通過する距離が
長いのと、空気中の塵の影響で、青Bは、写りが、悪いです。

NGC6334 出目金星雲
撮影日:2020年4月29日
露出時間 L 5分X14 R 5分X5 G 5分X5 B 5分X4
望遠鏡 FSQ-106フローライト鏡筒
カメラ QSI540WSG
冷却温度 -15℃
フィルター Baader Planetarium LRGBフィルター
ガイドカメラ SSAG
赤道儀 EM-11 Temma2Jr
NGC6334は、日本では、出目金星雲と呼ばれていますが、
海外では、Cat's Paw Nebula 猫の手星雲と呼ばれいます。
日本では、M8の横のNGC6559付近の星雲を猫の手星雲と
読んでいますが、本来は、このNGC6334が、猫の手星雲と
呼ばれています。