短焦点の鏡筒で、系外銀河を撮影する方法

これからの4月の終わりごろまでは、系外銀河のシーズンとなりますが、
撮影対象が、小さい。ここで、問題になるのが、望遠鏡の焦点距離。
天体写真を撮影されている方の多くが、撮影対象が、散光星雲で、
撮影面積が、広くなければならないので、短焦点の望遠鏡を使われて
いる方が、ほとんどで、小さい対象を拡大するためには、焦点距離を
伸ばさないと拡大できません。
しかし、新しく系外銀河だけのために新しい望遠鏡を購入するは、難しい。
そこで、手持ちの望遠鏡の焦点距離を簡単に伸ばせるのが、エクステ
ンダーレンズです。

エクステンダーレンズを使うとF値が大きくなり暗くなると思われますが、
望遠鏡にエクステンダーレンズを付けたからと言って、望遠鏡の物理的な
焦点距離が、伸びたりしません。
ただし、像の拡大率が、大きくなるので、星像は、大きくなります。
これは、焦点距離が、長くなるのと同じです。
例えばFSQ-106に1.4倍のエクステンダーレンズを付けて、F値が、F5からF7
になっても焦点距離が、530㎜から742㎜に鏡筒が、伸びるわけではありません。
もし、エクステンダーレンズを付けて、鏡筒が、伸び縮するのなら、驚き
なので、見てみたです。
つまり、エクステンダーレンズは、望遠鏡のF値はそのままに像をエクス
テンダーレンズの拡大率に拡大するレンズなのです。

ここで、私が、メインで、撮影に使っているFSQ-106 F5鏡筒を例に35㎜を
1倍として撮影センサーサイズ別に拡大率は、以下の様になります。

  APS-C 1.5倍
  4/3型 2倍
  1.0型 約2.7倍
  2/3型 約4倍

これにエクステンダーレンズを付けるとエクステンダーレンズの倍率分
像の拡大率が、大きくなります。
ここで、例えばFSQ-106に1.4倍のエクステンダーレンズを付けて、4/3型の
ZWO ASI294MM Proで撮影した場合の焦点距離は、1484㎜相当になり、これ
ならば主な明るい系外銀河は、撮影できます。

私の場合、FSQ-106にCanon EXTENDER EF 1.4x IIIを付けてQSI628で、
系外銀河を撮影しています。
系外銀河撮影用に使っているQSI628は、センサーは、ICX674(ICX694と
同じCCD)で、センサーサイズは、2/3型なので、焦点距離は、2968㎜相当に
まります。

次にエクステンダーレンズの選び方ですが、各望遠鏡メーカらもエクステンダー
レンズが販売されていますが、勧めは、カメラメーカーが、出しているエクス
テンダーレンズです。
最近のエクステンダーレンズは、デジタル対応で、像も画面の平坦性も35㎜
フルサイズに対応していて、かなり優秀です。
私は、Canon EXTENDER EF 1.4x IIIを使っています。

多くの方が、CANONやNIKONのカメラのバックフォーカスに合わせておられると
思います。カメラメーカーのエクステンダーレンズですと自社のレンズに付ける
ことが前提なので、今の望遠鏡とカメラの間に付けるだけで、FSQ-106の場合は、
ほとんどピント移動が、ありません。
ここで、注意したいことは、カメラのセンサーの前にフィルターが、入って
いるので、F値の小さなイプシロンなどの鏡筒では、若干のピント移動が、
あるかもしれません。
また、カメラメーカーのエクステンダーレンズは、中古で、状態の良いものが、
マップカメラなどで、多くあるので、入手性も良いです。

1本の鏡筒を焦点距離を変えて使えるは方法なので、私は、これでFSQ-106で、
系外銀河を撮影しています。これからの時期試してみてはどうでしょうか?


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[ 2022/02/20 18:37 ] 機材 | TB(-) | CM(0)

昨年末から不運続きです。

去年の10月以来の久しぶりの更新です。

去年12月4日の朝に電気ポットが壊れてから不運続きです。
12月6日に会社で、仕事に使っているPC(私の私物PC)が、壊れて、
修理にお金が、掛かったかと思うと今度は、自宅で、メインに
使っていたThinkPadT410が、見ている前で、”パシィ!”という音が、
して、突然死、ご臨終(合掌)。ま、年代物のノートPCだったので、
仕方ないのですが、長年使っていたノートPCなので、いろいろデータ等が、
入っているし、自宅で使うノートPCが必要なので、中古で、ThinkPadT560を
買って、環境を再構築してデータを移しました。
何だかんだで、昨年末にトータルで、約20万円近くの”大量出血”を
されられて、これで、何とか終わったかと思ったら、今度は、自宅で、
普段使っている眼鏡が、壊れて、これまた出費を強いられました。

天文の活動も12月と1月に遠征に行くも曇られて、高いガソリン代と
高速代を払って失敗でした。
今年の冬は、ラニーニャ現象の影響で、季節風の方向が、いつもの年と
違うせいか夜の晴天率が、悪いです。

近畿で、大阪の北部に住んでいると冬場は、兵庫、京都の北部と
奈良県南部と和歌山の山間部は、積雪と道路凍結で、行けません。
昔は、スノータイヤを付けて、雪の中でも行けたところもありましたが、
最近は、積雪や道路凍結で、通行止めの所が、多くなりました。
冬場は、積雪と道路凍結が、無く遠征に行けるところは、兵庫県西部から
岡山と和歌山県南部になりますが、和歌山県南部は、自宅からだと現地
までの時間もかかりますが、高速代が、往復で、諭吉さん1人分なるので
行きずらいですね。
岡山方面も高速代が、かかりますが、こちらは、兵庫県の相生で、
冬の味覚の牡蠣があるので、まだ、有難いです。

そんなこんなで、昨年末から不運続きなのですが、今年も立春が、
過ぎたので、運気が、上向くことを期待したいです。

何もないのは、寂しいので、2013年1月に大芦高原で撮影したM81の画像を
改めて画像処理したものを貼っておきます。

M81
撮影年月日:2013年1月12日
撮影地 岡山県大芦高原
露出時間 L 10分X7 R 5分X4 GB 5分X3 Ha 10分X2
フィルター Astronomik LRGB Type2Cフィルター + Ha13nm
望遠鏡 FSQ-106N
カメラ SXV-H9 + Atik EFW
ガイドカメラ OAG9+SSAG
赤道儀 EM-200Temma2
[ 2022/02/06 18:12 ] 天体写真 | TB(-) | CM(0)