前回は、Nik Collectionを使ったカラーの天体写真の画像処理を紹介しましたが、
今回は、Nik Collectionを使ったHaのモノクロ天体写真の画像処理を紹介します。
テストに使用した画像は、どれも月齢が大きい時に自宅のベランダから撮影した画像です。
まずは、バラ星雲です。
強調前の画像と撮影データは、以下です。
ばら星雲
撮影日:2015年12月20日
撮影地:自宅ベランダ
露出時間:Ha 8×10分
望遠鏡:FSQ-85ED F3.8
カメラ:QSI583 WSG
冷却温度:-15℃
フィルター:Baader Planetarium Haフィルター 7nm
ガイドカメラ:SSAG
赤道儀 :GP赤道儀+MTS-3SDI+
ちょっと派手目のディテール強調処理を行っています。
ここまではでに強調すると星雲の明るい部分のディテールも出てきますね。
次は、前回のカーラー画像と同じ馬頭星雲です。
強調前の画像と撮影データは、以下です。
馬頭星雲
撮影日:2015年9月12日
撮影地:自宅ベランダ
露出時間:Ha 17×10分
望遠鏡:FSQ-85ED F3.8
カメラ:QSI583 WSG
冷却温度:-15℃
フィルター:Baader Planetarium Haフィルター 7nm
ガイドカメラ:SSAG
赤道儀 :GP赤道儀+MTS-3SDI+
上のバラ星雲と同様に元画像の星雲の明るい部分の陰影が強調されて立体感が、出ました。
この馬頭星雲も上のバラ星雲もここまで強調した画像は、日本人好みではないかもしれません。
次からは、ちょうっと広角の画像です。使用した望遠レンズは、SIGMAの150mmF2.8 APO
MACRO DGです。月齢の大きい時に撮影しているので、焦点距離が、短くなって、レンズが、
明るいので、S/N比が、悪いです。
強調前の画像と撮影データは、以下です。
バーナードループ
撮影日:2014年10月26日
撮影地:自宅ベランダ
露出時間:Ha 10×10分
レンズ:SIGMA 150mmF2.8 APO MACRO DG 開放
カメラ:QSI583 WS
冷却温度:-15℃
フィルター:Baader Planetarium Haフィルター 7nm
ガイド鏡:ミニBORG60
ガイドカメラ:Lodestar
赤道儀 :EM-10 MTS-3SDI+ 改造
S/N比が悪いですが、バーナードループのモヤモヤと画面左上のLDN1622が、元画像とは
比べ物にならないくらい出ました。
また、元画像では白飛びぎみだった画面右下の馬頭星雲が、ハッキリしました。
次は、同じ領域で、少し構図を変えた馬頭星雲とオリオン大星雲です。
強調前の画像と撮影データは、以下です。
オリオン大星雲と馬頭星雲
撮影日時:2013年9月28日
撮影場所:自宅ベランダ
露出時間:Ha 12×10分
冷却温度:-10℃
フィルター:Baader Planetarium Haフィルター 7nm
レンズ:SIGMA 150mmF2.8 APO MACRO DG 開放
カメラ:QSI583 WS
ガイド鏡:ミニBORG60
ガイドカメラ:Lodestar
赤道儀 :GP赤道儀+MTS-3SDI+
こちらもS/N比が悪いですが、オリオン大星雲周辺のモヤモヤと元画像では、白飛びしていた
オリオン大星雲とNGC1977が、ハッキリ出ましたし。
以上、月齢が、大きく、光害の大きな自宅のベランダで撮影したHa画像を元画像にしてNik
Collectionで、ディテール強調処理を行いましたが、元画像に十分な光のデータが、あれば
かなり星雲のディテールを浮き上がらせることができます。
これが、空の暗い所で、もっよ露出をかけた画像ならば、もっとすごい画像になると思います。
さて、Nik Collectionのテストに使用した画像は、どれも月齢が大きい時に自宅のベランダから
撮影した画像を使用しているので、写りもS/N比もよくありませんが、Nik Collectionの
Color Efex Proのディテール強調を行うと星雲のディテールが、盛大に強調されます。
ことにオリオン大星雲と馬頭星雲の画像やバーナードループの画像は、元にした画像では
白飛びしていたオリオン大星雲や馬頭星雲の構造が、よく分かるようになりました。
ことにオリオン大星雲は、中心部分の明るい所は、白飛びしていますが、星雲の周辺や
NGC1977の構造が、分かるようになりました。
しかし、今回は、ディテール強調処理のテストということで、派手に処理を行っていますが、
カラー画像と同様に強調処理を行うと画像のノイズが、大きくなり荒れます。
そこで、画像の荒れにどう対処するかは、初めから強調処理をほどほどで、とどめておくか、
Nik Collectionのツールで、強調処理を行った後に同じNik Collectionのツールで、ノイズの
低減処理を行うか、別のソフトで、行うかでしょう。
Nik CollectionのColor Efex Proのディテール強調処理やVivezaの画像処理は、複雑な
マスク処理を行わなくても画像全体や、指定範囲を指定して強調処理が、できるので
天体写真の画像処理の強力なツールになると思います。
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