これって本当にプロの仕事か??

先日、某施設の天体望遠鏡とドームが、正常に動作しないので、見て欲しいと
ある天文仲間の方の依頼で、見に行って来ましたが、これは、本当にプロの
仕事かと思ってしまったので、思ったことを書きます。

見に行った施設の望遠鏡は、古くて、赤道儀は、自動導入ではなく、ドームも手動操作で、
回転させるものだったので、新しく赤道儀を自動導入にして、ドームもASCOM対応の
ドームドライバーを入れて、赤道儀とドームが、連動して動かすシステムを入れた
のですが、工事を行った業者の技術営業が、動かせるようにできないとのことで、
コンピュータ制御の天文機器に詳しいということで、私にお呼びが、かかったしだい。

赤道儀は、E-ZEUS2で、制御されているとのことでしたが、ASCOM対応のドライバーが、
まず、PCからCiel等の星図ソフトから使えない状態とのことでした。
E-ZEUSのASCOMドライバーは、ご存知のように動かすためにま、Microsoftの.Net frameworkが
必要なのですが、聞くと工事を行った業者の技術営業の人が、ネットワーク経由のインストール
ソフトしか用意していなくて、当日、ポケットWifiで、ダウンロードしようとしたらしい
のですが、ダウンロードできず、そのままの状態になっているとのことでした。
それと、当日、E-ZEUSのASCOMドライバーを見て、2度ビックリですよ。
何と、エンドユーザーに提供するものにβ版をインストールしているのです。
β版のソフトは、一般公開されていますが、テスト、バグフィックス用のソフトで、実際に
使用環境では、使うソフトではありません。
エンドユーザの環境にβ版ソフトを入れるとはソフトについて何も理解していないとしか
考えられませんでした。
私も技術屋で、エンドユーザーの所で、作業した経験は、ありますが、まず、基本的に
必要なソフトをインストールする場合、安定動作版のソフトを用意することと、通信環境が
無くてもインストールできるフルパッケージ版のソフトを用意して行くのは、基本中の基本で、
まずこれが出来ていないのに技術営業ができたなと思いました。
当日は、必要と思われるソフトは、すべてノートPCに用意して、行きました。

赤道儀に関しては、最新版の.Net frameworkをインストールして、E-ZEUSのβ版ドライバーを
削除して、正式版を入れることで、PCから自動導入制御は、できるようになりましたが、
一難去ってまた、一難です。今度は、ドームドライバーが、ASCOM経由で、赤道儀と連動して
動かないのです。ドームドライバーもPCから制御するのですが、PCからUSB経由で、手動操作と
ドームの全周パルス数の測定などを行う自動計測は、できるのですが、ASCOMのPOTH経由で、
ドームドライバーを接続しようとするとPCがフリーズして、PCを再起動しないと復旧しない。
また、ドームドライバーは、USB-シリアル変換で、PCに繋がっており仮想COMポート経由で
制御するのですが、謎なことにドームドライバーが、繋がっている仮想COMポートとは、まったく
違う仮想COMポートを指定してもドームドライバーが、手動操作できるです。
また、ドームドライバーが繋がっている仮想COMポートを指定して保存して、再度、設定を
確認すると別のCOMポートが、指定されてされているいう状況、しかし、これでもドーム
ドライバーと通信出来て、手動操作ができる。もう動作が、理解不能の状態でした。

結局、ドームに設置されているPC、私が、持参したノートPC、依頼された方が、持参された
ノートPCで、テスト環境を作って試しましたが、3台とも同じ現象で、ASCOM経由で動作させる
ことが、できないので、工事を行った業者経由で、ドームドライバーを作った製作者に直接電話
対応してもらいましたが、結局原因不明で、ASCOM経由で動作させることができず、私が、
詳しい状況をドームドライバーを作った製作者に報告して後日、調査対応となりました。

この後、日が暮れてから自動導入のテストを行ったところ正常に対象を導入できません!!
何度やっても導入対象とは違った位置で、導入が、正常終了するので、いろいろ調べた
ところ最初の設定をSuperStar IVで行ったとのこでしたが、この設定が、間違っている
ことに気が付きました。
E-ZEUSのASCOMドライバーを使われている方は、お分かりと思いますが、E-ZEUSのASCOMドラ
イバーは、赤経、赤緯の全周パルス数を入力して、設定しなければなりませんが、この赤経、
赤緯の全周パルス数が、使用する赤道儀の値とはまったく違う数値が入力されていたために
正常に自動導入が出来なかったのです。
これを正常な数値に設定し直して、正常に自動導入が、できるようになりましたが、
設定すべき数値を根本的に間違っているというのは、機械を十分に理解して販売している
のかと思ってしまいました。

ドームドライバーについては、後日ドームドライバーの製作者の方からドームドライバーに
バグがあつたいう報告が、来まして、至急バグを修正して対応するとの連絡が、来ました。
これって、私が、詳しく調べて報告するまで、分からなかったということですよね。
私も電子機器を製造する会社に勤務して、電子機器を設計していますが、十分なテストと
検証を行って、世に出したのか聞きたくなります。それにこれまでバグのあるソフトを販売
していたということですよね。もう、あきれました。

この日、私が、調査した天体望遠鏡のシステムは、設置した業者が、何一つ正常に動作する
ように出来ていませんでした。
これは、ユーザーに納入する前に十分な動作テストと検証をこの望遠鏡のシステムで行って
いれば起きなかったのではなっかと考えますが、何故、これが出来なかった?しなかったのか
理解できません。
全ての業者が、こういうこととは思いませんが、設置した業者にしてもドームドライバーの
製造元にしてもコンピューターで、全てを制御するシステムを構築して販売するのであれば
十分な動作確認を行ってもらわないと天文業界の評判を落とすことになるので、十分に注意
してもらいたいところです。

私は、以前にも天文ガイドに広告を出していたMRDという自動導入モータードライブを製造、
販売を行う業者の自動導入モータードライブの致命的な欠陥バグを発見して、このモーター
ドライブが、使い物にならない物であることを当事者に示して、ここを廃業させたこともあります。
もう、20年近く前のことですが・・・。
日本の天文機器のソフト、ハードのレベルは、国内メーカーも含めて欧米メーカーとは比較に
ならないくらいレベルが、低すぎます。
このようなことが、起きる原因は、日本では、天文機器のハード、ソフト共に天文屋が作って
いないことでしょう。欧米メーカーは、どこを見ても天文屋が、ハード、ソフト共に作って
いて天文機器についてよく理解しています。
それと日本では、ユーザー、メーカー共に英語が、できないというのも致命的です。
サイエンスやテクノロジーの中心は英語圏の欧米諸国であり、ここから直接情報を得られない
というのは、世界の90%以上の情報から隔離されていることにもなるので、技術レベルが、低く
なるのは、当然です。
ここ最近では、英語で、欧米メーカーなどとも意思疎通が、できる中国メーカーの方が、ソフト、
ハード共にのレベルは、上になって来ています。ZWOやQHYを見ればお分かりと思います。

ここまで、長々と書きましたが、もし、本当に良い天文機材を求めるならば欧米の一流メーカーの
機器を購入すべきでしょうね。


年末に嫌なことを長々と書いてしまいました。

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[ 2017/12/25 18:35 ] 機材 | TB(0) | CM(4)

No title

年末の中の対応、というか尻拭いでしょうか・・お疲れ様でした。
今の日本企業だと、夜中に実地試験する、というのもなかなか難しいのかもしれませんね。アトラクスのスカイセンサ3Dの電源が入らなくなった時に(恐らく原因は接続ケーブルの接触不良・・直してませんが・・最近調子イイ ^^;)、魚籠船さんにいろいろと相談したところ、旧アトラクスはメンテはするが、素組みしかしないので、追尾精度はSP以下になります!と聞いてないことまで情報開示してくれて、ある意味感心(?)してしまいました・・
確か、初代アトラクス当時は、Pモーション実測していたと思うのですが、もう、そういうことは日本企業としてはできないんだろうな、と思いました。
ISOとかコンプライアンスとか、いろいろと事情はあるにしても、やはり天体にかける熱意や情熱が欲しいところですね。
そういう意味では、中韓の方が、良いモノを出してきてるのかな・・。少なくとも意欲的ですよね。精度はこの際、\(・_\) (/_・)/コッチニオイトイテ
[ 2017/12/25 22:34 ] [ 編集 ]

No title

UTOさん、こんにちは。
尻拭いといえばそうなるのでしょうね。
だいたい、納入する前にシステムの総合テストをやって、確認しておけば
すんだことなのですよ。何も納入するドームでなくても同じシステムで
動作する環境であればよかったのです。
コンピューターで、制御するドームやスライディングルーフなどは
赤道儀、ドーム、ドームを制御するソフト全てバラバラのところで作って
いて、それを集めて1つのシステムを組み上げるのですから、作るシステムが
正常に動作するか事前に確認するのは、当たり前だと思いますが、日本の
天文業界は、個々の機器が、動けば、集めて組み立てればそれで完成と
考えているのでしょうね。
それと、あまりにもPCのソフトについての知識が、無さすぎると思います。
PCで制御するシステムをユーザーに納めるのですから必要な知識とノウハウは
身に着けておいて欲しいです。
最近の天文機器は、PCだけでなくスマホやタブレットから制御するという
概念が、日本メーカーには、ないので、世界からは、取り残されていますね。
[ 2017/12/26 02:47 ] [ 編集 ]

No title

こんにちは
お疲れ様です。
ソフトについて知らなすぎる。ですか?
そうですね。 ただソフトについて理解する
のは基本的な事でもかなり時間がかかるのは
実情ですからねぇえ~~わかる人にはわかるのでしょうが。
小生もC言語を理解しようとかじってみましたが
まるで歯が立ちませんでした。
ジャバスクリプトとホームページ作成の
HTMLを理解するのがやっとです。
でもその程度の技術でも
私は技術者です。と胸をはる人間は
おおぜいいます。

そしてブログ主さんのように
やろうとすると企業的にみてコストが
どれだけかかるやら、まあ零細企業には無理かな?

もちろんこのような事を平気でやらかすとゆう
企業にたししては零細企業だから無理とゆるしている
わけではありませんが、現実問題どうでしょうか??

天文業界にソフトと天文の両方をわかっている
人間ですか? いないでしょうねぇえ~~
残念ですがいたとしてもごくごくわずかでしょう。

貴殿はそのわずかなうちのお一人でしょう。
今後も天文のファンと観測者をよろしくお願いいたします。

では・・・・。
[ 2018/01/11 19:54 ] [ 編集 ]

No title

hor*****さん、こんにちは。
今回の件は、技術営業の人が、持っていて当然の技術と知識を
持っていなかったということと、ドームの制御ソフトを開発した
ところが、十分なテストと検証を行っていなかったことにつきます。
技術営業については、新入社員の研修が、終わったばかりの新人
でもできるレベルの仕事が、できないのは、問題だと思います。
[ 2018/01/13 00:34 ] [ 編集 ]

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